技術系でも、技術力よりマネジメントスキルを強みに転職活動に臨む人がいます。マネジメント職での転職の場合、面接で「御社に入ってリーダーシップを発揮して、組織の成果に貢献します」などと述べるのはずうずうしいのでは、といった意見もありますが、筆者はそうは考えません。無理にへりくだらず、自信を持って宣言すべきだと思います。
ただ言ったからには、実際に成果を出さなくてはなりません。新卒の面接であれば「気持ちは分かった」で済ませられますが、中途採用のマネジャーとなればそうはいきません。採用側からも、面接で「自社のマネジャーを任せられる人材かどうか」をじっくり確認されるはずです。
では、転職先でも本当にマネジャーとして活躍できるのでしょうか。現職では上手にマネジメントができていても、それが他社で通用するか自信がない人もいるでしょう。実際、同じマネジャーでも、企業によって求められる役割や責任範囲が異なることもあるので、不安を覚えるのも当然です。
そこで今回は、ご自身のマネジメント能力をセルフチェックしてみましょう。現時点では転職を考えていない人も、試しに確認してみてはいかがでしょうか。
マネジャーに求められる能力とは?
チェックに利用するのは、厚生労働省の「職業能力評価基準」です。仕事をこなすために必要な「知識」と「技術・技能」に加えて、「成果につながる職務行動例(職務遂行能力)」を、業種別、職種・職務別に整理したものです。
例として、「自動車製造業(組立職種)」を見てみましょう。まず「共通能力ユニット」として、「企業倫理と企業の社会的責任」「関係者との連携」などの項目が並んでいます。これらは、職務の内容にかかわらず求められる能力です。
各項目をクリックするとExcelシートをダウンロードできます。これを開くと、役職のレベルごとに必要な能力基準が明示されています。試しに「企業倫理と企業の社会的責任」を見てみると、「製造管理マネジャー」がレベル3、「上級製造管理マネジャー」がレベル4となっています。
該当するレベルの能力基準を眺めながら、実際にそれができているかを確認します。それだけで、「一般的にマネジャーに求められる役割を果たせているかどうか」をチェックできます。