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多様な人と触れ合える

 経団連の調査でもう1つ注目したいのは、「人的ネットワークの構築・拡大」「異分野交流」などに期待している企業が半数を超えることです。経団連は「他流試合」の側面があると分析しています。

 社会人になると、多様な人々と交流する機会は意外に少ないものです。様々な企業から集まった、専門も年齢も異なる人たちと一緒に学べる場はとても貴重です。多くの刺激を受けることで、自分を鍛えられます。

 単に意見交換するだけでも様々な発見があるでしょうし、受講生同士で新しい事業を起こそうといった動きが出てくるかもしれません。これが、転職をはじめとした新たなキャリア形成につながる可能性があります。社員の視野を広げるなどの目的で副業を解禁する企業も増えていますが、リカレント教育でも同じような効果がありそうです。

 中には、単位を落として留年する人もいます。留年にはネガティブな印象を抱いている人が多いと思いますが、社会人の学び直しについてはそうでもないようです。信頼できる教育機関に長く在籍し、仲間と一緒に学びを続けるために、留年という選択をする人もいるのです。

 留年が前向きに捉えられるとは、時代が変わったと感じます。それだけ、学びの持つ意味が変化しているということだと思います。役職や年齢にかかわらず、学べる機会があるならぜひ積極的に活用していただきたいと思います。

天笠 淳
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
天笠 淳 早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。アネックスのWebサイトはhttp://www.annexcorp.com/