転職活動を経て内定を得た男性から、「妻の理解が得られない」という相談を受けることがあります。いわゆる“嫁ブロック”です。女性から「夫の理解が得られない」という相談を受けることはほとんどないのですが、嫁ブロックの話はよく聞きます。努力を重ねてやっと獲得した内定なのに、嫁ブロックに遭ったがために泣く泣く辞退する。そんな悲劇も実際にあります。

 妻が転職に反対する代表的な理由が、収入です。転職によって収入が下がったり、転職後の昇級のイメージが持てなかったりすると、妻にとっては不安です。転職先の勤務地が遠く、転居を伴うケースも反対されがちです。

 こうした嫁ブロックをどう突破するか。私自身の複数回の転職経験を基に、妻の理解を得るためのノウハウをお伝えします。

妻に面接官役を頼む

 まずお勧めしたいのは、転職活動に妻を巻き込むことです。転職活動を始めること自体に大反対されたら難しいかもしれませんが、そうでなければ、できるだけ早い時期から妻にも関わってもらいましょう。

 具体的に、妻をどう巻き込むのか。私の場合は、面接の練習に付き合ってもらうようにしていました。転職活動時はいつも、3人程度の知人に面接官を務めてもらって練習を重ねていましたが、同じように妻にも面接官役を頼みました。

 今どんな仕事をしているか、なぜ転職したいと考えたのか。転職後、どんな仕事をしたいのか。こうしたことを、面接官役の妻を前に話します。自分の考えを整理できるだけでなく、妻に自分の現状や気持ちを理解してもらえる効果があります。

 妻には、面接官として質問もしてもらいます。厳しい質問をされたり、ダメ出しをされたりすることもあるでしょうか、それも重要です。質問を通じて、妻が自分の転職活動をどう捉えているか、どんな疑問や不安を抱いているかをうかがい知ることができるからです。

 このように、面接の練習は、転職に関して夫婦が理解を深める良い機会になります。いざ転職先が決まったら嫁ブロックを受けそうだと感じている人ほど、転職活動の開始段階から妻に協力を仰ぐとよいでしょう。

万が一のときの収入源を考える

 では、嫁ブロックの2大理由、収入と勤務地のそれぞれの回避策を見ていきましょう。

 まずは収入面。転職後も現在の収入が維持されるのか、転職先で夫はどんな処遇を受けるのか。これは、妻の最大の関心事です。言うまでもなく、転職後の収入レベルや昇級パターンを、可能な範囲でシミュレーションして説明することが重要です。