床屋の一般的なメニューで十分ですから、整髪やひげそりをして自分の見た目を整えてください。特に40~50代の方は、自分の印象の良しあしを自分で判断せず、プロに判断してもらうようにしましょう。年齢を重ねている分、「自分は大丈夫」という思い込みを抱きがちなのですが、それが危険です。採用面接に行くことや、志望企業の業態、社員の平均年齢などを伝えて、プロの判断で髪型を整えてもらいます。

若い店員にスーツを選んでもらう

 服装も重要です。中途採用面接は、スーツで臨むのが一般的です。ただ技術者には、普段スーツを着慣れていない人が少なくありません。製造業では作業着が標準だったり、IT系でも非スーツのカジュアルな職場があったりします。10年前のスーツを引っ張り出し、多少太ったけれど何とか着られるから大丈夫だと自己判断して面接に着ていく。これは危険です。

 スーツのサイズ違いだけをとっても、若干窮屈に見えるだけで暑苦しい印象を与えます。太ってしまってワイシャツの一番上のボタンが留められない、その結果ネクタイも緩んでいるなど、一目見ただけでだらしなさを感じてしまう応募者がいます。そう思われた瞬間から、面接の受け答えでネガティブな部分は全てだらしなさに結びつけられてしまい、さらに印象を悪くしてしまうのです。

 少し出費はかさみますが、スーツの量販店などに出向き、「転職活動で面接に行くので、年相応で印象の良い組み合わせを上から下までそろえてください」と店員さんに相談してみましょう。自分の子供と同じくらいの若い店員に、今どきのセンスで選んでもらうのもよいでしょう。“ちょい悪オヤジ”のようにおしゃれに見せようと、人の意見も聞かずにネクタイや靴などにこだわったりすると、全体の調和が崩れて痛いオヤジになってしまう可能性が大です。他人のアドバイスを素直に聞きましょう。

 普段とは違う髪型や服装をすることに、抵抗がある人もいるでしょう。そんなときは、選考通過の確率を上げるための期間限定コスプレだと割り切って行動すれば、気が楽になるのではないでしょうか。

 写真や第一印象だけでは分からない、きちんと会って話をしてから判断してくれ、という声を聞くこともあります。確かに私も、写真や履歴書がどうしようもなくても、会って話をしたら素晴らしい人で採用を決めたという経験はあります。しかし、それはまれな例です。

天笠淳
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
天笠淳 早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。