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 精皆勤手当とは、できるだけ欠勤せずに仕事に励んだ人に支給する手当です。「雨の日も風の日も休まず、時間に出社する」「若干体調が悪くても会社で仕事をこなす」「家庭よりも仕事を重んじ勤める」のような、昭和に主流だった考え方にはなじむ手当です。しかし自宅で仕事に取り組み、ワークライフバランスを重視しながら働く現代には、この手当は明らかにズレが出てきているのでしょう。

 家族手当も同様です。生き方が多様になり、家族の定義が以前とはずいぶん変わっている今、「家族手当」という言葉自体が時代に合わなくなってきた部分もあると考えられます。

 このように、手当の位置づけは急速に変わっています。「基本給以外の手当を含めれば現在よりも給料アップ」と判断して転職を決めるのは早計といえそうです。

 実際、入社後に基本給以外の手当が削減されて実収入が減る可能性もあります。筆者自身も経験があります。

 20年以上も前になりますが、諸条件に合意して内定をもらってから入社までの間に手当に関する規定が改定されました。本人の能力とは関係のない手当ということで、家族手当や住宅手当が削減されたのです。

 筆者については内定前に合意した金額通りで即減収ではありませんでしたが、合計8万円ほどの家族手当や住宅手当は毎年徐々に減っていき、5年間で0円になると説明されました。毎年昇級を果たしても手当が減るため、収入はわずかにアップするのみという期間が続き、さすがにモチベーションの維持が大変でした。

 最近は、ベースアップなども期待できなくなっています。これだけデフレの世の中では無理もないのでしょう。ベースアップをあてにして住宅ローンを組むといったことは間違ってもしないほうがよいでしょう。

天笠 淳
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
天笠 淳 早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。 アネックスのWebサイトはhttp://www.annexcorp.com/