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緊張が緩んだときに素の自分が出る

 「では面接は以上です、本日はありがとうございました」

 人間、緊張が緩んだときに「素の自分」が一番出やすいと言われています。選考に長けた面接官がその場を見逃すはずはありません。面接終了後のしぐさ、会社によっては退出してエレベーターに乗るまでが評価だと思っても間違いないでしょう。

 面接の緊張感が解けた応募者は、面接室からエレベーターへの通路を通りながらさまざまな表情、行動をします。自分の準備していた受け答えができなかったときは落ち込んで下をずっと見ている人がいますし、面接官から気に入らない対応をされたときは無愛想になったり、言葉がそっけなくなったりする応募者も多くいます。

 例えば無愛想な様子が見られた応募者については、「入社後、本人の気に入らないことがあったときはあんな感じなのだろうな」と思われ、選考の評価材料にされてしまいます。よほどひどくなければそれだけで不採用になることはないとは思いますが、マイナスになる要素を含んでいることは覚えておきましょう。

 とはいえ、何もガチガチの緊張感を持って退出してくれとは言いません。面接後、面接官から少しカジュアルな質問が飛び出すこともあります。

 面接官はほかの応募者との公平性を保つため、仮に履歴書上に自分と共通の趣味があったとしても、面接中には触れないのが基本です。こうした「聞きたいけど話せない」ショートトークが、退出時に行われることが多いのです。このやりとりの際の応募者の印象や評価が、合否を分けることもあります。

 会社の社屋を出るまでが面接選考。そう思って臨んでください。

天笠 淳
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
天笠 淳 早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。