人材紹介会社に登録する、企業に直接応募するなど、転職先の開拓方法はいろいろあります。そんな中で、一度はアクセスをお勧めしたいのがハローワークです。

 私が転職相談を受ける求職者には「ハローワークには、大した仕事はない」と思い込んでいる人が少なくありません。しかしハローワークは、次の仕事を検討する上で非常に有効なデータベースです。思わぬお宝求人に出合えることもあります。

120万件超の案件がそろう求人の宝庫

 求人情報は、ハローワークを訪問しなくても、Webサイトで探すことができます。「ハローワークインターネットサービス」です。

「ハローワークインターネットサービス」のWebページ。厚生労働省職業安定局が運営する
「ハローワークインターネットサービス」のWebページ。厚生労働省職業安定局が運営する
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 トップページには、求人数が表示されています。2018年10月11日時点で、「現在の求人件数は1225180件です」の表示があります。120万件超とは、まさに求人の宝庫。世の中の仕事のほとんどが網羅されているのでは、と思わせるような規模です。

 この中から応募先を探すだけでなく、「世の中にはどんな仕事があるのか」を俯瞰することで今後について一度立ち止まって考えることができたり、「自宅の近くにこんな会社があったのか」と新たな発見ができたりします。

採用コストをかけたくない企業には大事な媒体

 求人を探す上で、ハローワークを使う企業側の狙いについても押さえておきましょう。まず考えられるのは、採用に当たって求人媒体や人材紹介会社にお金を使いたくない、というもの。過去に人材紹介会社経由で採用したがうまくいかなかった、「良い人がいれば採りたい」というレベルで積極採用ではない、といったケースもあります。

 特に、金銭面について気にしている企業は意外に多くあります。中小企業では、50万円、100万円規模の採用コストはリスクになることがあります。できるだけコストを抑えて採用したいというニーズは強いのです。

 私も過去、それを実感したことがあります。六本木ヒルズに入居している、ある有名ベンチャー企業から内定をいただいたときのことです。面接は3分で終わったのですが、その際の質問が「うちの会社は何経由で受けましたか?」でした。

 その企業によれば、人材紹介会社経由の場合、採用の確率が一気に下がるのだそうです。人材紹介会社への採用手数料が掛かるためです。経営感覚からすれば、重要なことだと思います。

 「企業が採用や人材に投資しないから、良い人を採用できない」といわれることもあります。しかし、投資したからといって優れた人材を獲得できるかというとそうでもないことは、企業の採用担当の方であれば実感されているでしょう。こうしたことから、人材獲得の手段としてハローワークが活用されています。

お宝求人に出合える可能性も

 ハローワークには、思わぬお宝求人もあります。私がハローワークに関心を持ったきっかけは、リーマンショック直後、求職者への就職指導をしていたときにある求人を発見したことでした。出版社が募集していた「温泉ライター」というお仕事です。