「中途採用面接で聞かれることは、たった2つだけ」。転職希望者から面接対策について相談されたら、筆者はこう答えています。1つは「現在価値」、もう1つは「将来価値」です。
現在価値とは、これまでの経歴です。業務ノウハウや経験、コミュニケーション力など現在のあなたの価値を、これまでの経歴を尋ねることで確認します。職務経歴書に記入する内容をより詳しく聞かれると考えればよいでしょう。
何年にどこでどんな業務に携わったか、その結果どんな成果が得られたか、何を学んだかなどを順を追って話します。ここで内容を誇張したり、過度に謙虚になったりする必要はありません。事実として淡々と伝えるくらいでちょうどよいと思います。関心のあること、詳しく聞きたいことについては面接官が質問してくれます。
リアクションが少なくても落ち込まない
多くの応募者が面接中に不安になるのは、面接官のリアクションが少ない場合です。反応が薄いから自分に関心がないに違いない――そう思って焦ってしまうのです。しかし、そうとは限りません。
面接時間は限られています。応募者が自信を持って話したいことがあっても、採用ポジションとあまり関係がなければ面接官は突っ込んで聞かないことがあります。採用ポジションと関連が深い内容でも、書類や面接での応答で説明が十分になされている場合はあえて深掘りの質問をしない面接官もいます。
しかし応募者は緊張もあり、自分がきちんと説明できていることに気づく余裕はなかなかありません。質問が来なかったために「関心を持ってもらえなかった」とネガティブに捉えて自滅してしまう人がいますが、そんな必要はありません。現在価値の評価は採用側がするものです。自分で自分の価値を面接中に判断しても仕方ありません。