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 人間関係も良好になるでしょう。1年目は、中途入社社員に対して懐疑的で、「お手並み拝見」とばかり様子見な社員もいるでしょう。例えば、技術職のように専門性の高い職種や、年上の部下、転職をしたことがない社員などには、外から転職してきた人に対して否定的な人はいます。そうした社員には自分のパーソナリティーなどを理解してもらうと同時に、やはり仕事を通した成果で信頼を築く必要があります。

自分のカラーを出すのは3年目

 そして3年目から、自分のカラーを出して目標の120%の成果を目指しましょう。3年間もかけるとはのんきだと思うかもしれません。しかし、開発から製造、販売、そしてサポートまで一定の期間を要するものづくりの職場では、長すぎることはありません。ITベンチャーなどでは数カ月単位で活動するでしょうが、本当に自分なりの成果を上げるには、下地づくりにじっくり時間をかけた方がよいと筆者は感じています。

 お伝えしたいのは、「仕事は1人でなし遂げるのはほぼ不可能。目標達成には組織の力が必要」ということです。当たり前のことのようですが、転職者をめぐってはしばしばこの視点が忘れられてしまいます。「1つのポジションに対して1人が選ばれる」という転職活動の性質上、個人に注目が集まり、周りの期待がその人に集中してしまうからです。

 転職活動自体は個人でも、入社後に必要になるのは組織での活動です。それを意識しましょう。「転職したばかりで力を発揮できない」と悩んでいる人は、少し落ち着いて、3年間の計画を立ててみてはいかがでしょうか。

天笠 淳
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
天笠 淳 早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。