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 例年、年末が近づくと「早期退職者募集」のニュースが増えます。2020年はコロナ禍の影響で、特に有名企業において大規模な早期退職者募集が実施されているようです。

 「自分は大丈夫」「うちの会社は関係ない」と思っていたとしても、“絶対”はありません。会社員なら、早期退職制度について理解を深めておいたほうがよいでしょう。

年末年始にじっくり考える

 早期退職者募集を年末にかけて実施する企業が多いのは、なぜでしょうか。筆者が知っている会社は、3年連続で早期退職者を12月に募集しています。知人は3年連続でこの時期に人事部に呼ばれて説明を受け、「忘年して気分を切り替えたいのに、どうしてこの時期なのか」と首をかしげていました。

 12月に早期退職の案内をするのには、いくつかの理由があります。まず、年末年始を控えていること。応募するかどうかは本人にとって重要な決断ですから、年末年始の休みにゆっくり考えてほしいという狙いです。集まった家族と相談できるのも年末年始ならではです。

 通常の時期に案内をすると社内が動揺し、仕事に影響が出るという理由もあります。全社員が一斉休暇を取れる年末年始の前に案内することで、落ち着いて検討してもらおうというわけです。

 さらに、新年度が4月に始まることを考えるとちょうどよい時期です。12月に案内して募集を受け付け、さまざまな手続きを経て3月末に退職という流れがつくれます。

 早期退職者の募集が始まると、対象の年齢や職種に該当する人は制度の案内を受けることがあります。従業員を一定の条件下で公平に扱う「公平性の原則」に基づき、人事部は条件に当てはまる人に等しく声をかけることが多いでしょう。

 部内で高い業績を上げており評価が良かったとしても、上長や人事部から案内を受けることになるのです。早期退職に全く関心がない人は驚くかもしれませんが、よくあることです。まれに「独身者だけに対して案内をしていた」といった会社もありますが、これは客観性や公平性を著しく欠く行為だと筆者は思います。

いつ応募すべきか

 早期退職制度の案内が始まると、社員の間で必ず話題になることがあります。それは「今回の早期退職者募集は何回実施されて、何回目に応募するのが最もお得か」というものです。「3回実施するらしい」「早めに応募したほうがいいらしい」などさまざまな噂が飛び交います。