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 そのときに重要になるのが、「人事部門から課されているタスクを、しっかり果たしている」という事実です。上司と目標面談や評価面談を通じてコミュニケーションし、年間の能力開発計画について話し合う。こうしたことがなされていないと、人事部門としてもすぐには動きにくいのです。

 人事部門に訴えるなら、まずはこうしたタスクをきちんとこなします。その上で、人事部門に申し出をします。

人事に異動を訴えるなら、キャリアプランを準備してから

 人事部に申し出る際は、「どんな部署でどのような仕事をして、どうキャリアアップしたいのか」を説明できる必要があります。

 「自分のキャリアをどうしたらよいか」といった相談であれば、当人の考えが整理できていなくても人事部員はキャリア相談を進められます。しかし人事異動を訴えての相談では、場合によっては担当管理職や役員にも相談が必要です。周囲に納得される異動計画を立てるなら、本人も自分のキャリアプランを準備して相談に臨むべきです。

 本来は、その話を上司にもしておくことが望ましいといえます。目標面談や評価面談は期初や期末など忙しい時期に実施されることが多く、本人のキャリアプランをじっくり話し合う時間はないかもしれません。ですから面談とは別の時期に、上司に自分から働きかけをして話す機会を作ってもらうことが必要です。

 それでも上司が忙しさを理由に取り合ってくれない、事の重大さに気付いてくれないといったときは、その事実を基に人事部門に相談すればよいでしょう。

 上司に働きかけてみたら、実は上司が部下に遠慮して話しかけられるのを待っていた、キャリアについて詳しく聞きたかったが聞けずにいた、といったケースも想定以上に多くあります。自分が苦手意識を持っている相手は、同じように自分を苦手に感じている可能性があります。部下から働きかけられることで、上司も「実は……」と自分の考えを話してくれるかもしれません。

 嫌いな上司に働きかけるのは気が進まないかもしれません。しかしこのプロセスを経た方が、円滑な異動が実現しやすいのです。