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出向先でモヤモヤしたら、自分から人事に相談

 最後に、出向中の転職について考えてみましょう。出向したまま10年以上が経過し、「自分はどこの社員なんだろうか、こんなことなら転職しようか」と考える人がいます。こうした場合は、出向解除の見込み時期や解除を求める理由などを整理し、人事部門と話し合った方がよいでしょう。

 出向については「会社にあまり干渉されずに好きな仕事ができる」と前向きに捉える人と、「元の会社から出されてしまった」と悲観的に考える人がいます。後者の場合、いつ元の会社に帰れるのか分からないという不安感はキャリア形成に影響してきます。

 自分の思いとは裏腹に、管理職や人事は「あの社員は出向先で活躍していて、自社より自由に楽しんでいるようだ」と安心していることもあります。不安になった場合は自分から人事に相談して、キャリアプランについて伝えることをお勧めします。

 筆者も会社員時代、出向先で2年半過ごした経験があります。出向先8割、自社2割の生活で、会社には月に1回経費精算に行くだけということもありました。「月1で精算書を持ってくるあのおじさんは誰?」と社員につぶやかれ、どちらの会社でも所属が中途半端で同僚もおらず、さみしい思いをしました。

 そうした思いを抱いていることは、周囲は気付きません。モヤモヤしたときは「まずは自分から発信」を心掛けていただきたいと思います。転職活動を始めるのは、その後でも遅くありません。

天笠 淳
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
天笠 淳 早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。