企業で蓄えた知見を公務員として生かす
企業以外の転職先として、公務員を志望する人もいます。公的機関の求人を調べると、「自分の住んでいる地域をプロデュースする」「お年寄りの住みやすいローカルシティを作る」など、企業での経験が生かせそうな魅力的な職種が見つかります。
一方で学校と同じく、公務員という仕事は企業とは異なる点も多くあります。企業の見方で考えれば、公務員にとっての顧客は国民や地域住民です。特定のユーザーではなく、関係する住民全体が顧客であるということが、企業との大きな違いです。
コスト管理や成果検証も、民間企業以上に厳しいケースが少なくありません。公的機関の運営資金は税金ですから、当然です。例えば打ち合わせ1つとっても、会議室は設けず、執務スペースと通路の間に置かれたキャビネットをテーブル代わりにして、立って打ち合わせをする、といったところもあります。
転職後にミスマッチに気づくのを避けるためには、事前に十分に調査・検討することが大切です。最近では、Webサイト上での中途採用情報を充実させる公的機関も増えています。例えば東京都の採用ページでは、建築や土木、事務職など、実際に企業から転職した人のキャリアが丁寧に解説されています。こうしたところから、転職後のイメージを作るのも良いでしょう。
求人情報では、職種を丁寧にチェックしましょう。企業と違って任期付きのものがあったり、総合職や一般事務など採用後の役割が明確に決まっているものがあったりします。企業で働いていた人には見慣れない用語もあるので、分からないことはきちんと確認した方がよいでしょう。
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
