12月になり、賞与が支給された方も多いでしょう。賞与の支給時期は、転職が多くなるタイミングでもあります。せっかくだから賞与をもらった後に退職して、次の職場に移ろうと考える人が多いからです。
転職先を選ぶ際も、賞与についてはきちんと確認しましょう。年収の総額だけ見て安心するのは危険です。入社後に「こんなはずじゃなかった」ということがあるからです。年収は同じでも、その受け取り方によって、日々の生活や気の持ちようがずいぶん変わってきます。
自分に合った給与の受け取り方を
現在、賞与を年2回支給する企業が多数派でしょう。しかし、賞与をなくして年収の12分の1ずつを毎月支払う、大きな成果を上げたらインセンティブを用意する、という企業も増えてきました。
例えば「月給20万円×12カ月分+賞与30万円×2回」と、「月給25万円×12カ月分」は、年収はどちらも300万円です。ただし賞与については、企業の売り上げや評価など、変動要素があります。入社時に見込みとして示された賞与額が、確実に受け取れるとは限りません。
また毎月の収入は20万円で半期に1度賞与が支給されるのか、毎月25万円が支給されるのかで、受け取るときの気分や毎月の生活費の組み立て方が変わります。どちらが好みかは人によって異なるでしょうが、私は賞与がない方が性に合っていました。年収と自分の目標について会社と合意すれば、上司のご機嫌など気にせずに1年間過ごせる点が気に入っていました。
賞与がある会社では、人事評価を気にするあまり、評価時期が近づくと上司へのあからさまなアピールをする同僚が増える様子を目にしていました。賞与がなければ、こうした雑音が少なくなるのが良いと感じています。
生活費の計算がしやすいメリットも感じていました。賞与を生活費として考えると、賞与が少なかった場合など、月々のやりくりの計算がとても面倒になります。賞与がある会社でも、住宅ローンのボーナス払いなどもほぼ組まないようにしていました。
同じ給与でも職位を上げる
入社後の年収や賞与をチェックする上で、もう1つ押さえておくべきポイントがあります。それは、入社時に与えられる職位です。
どの会社でも、役職や等級など職位を参考に給与額を提示します。これは入社時だけでなく、入社後の昇給にも大きく影響します。中途入社した人が、入社後すぐに昇格するのは大変です。初めての環境で十分な成果を上げるのは容易ではありませんし、何度も試験を受けなければ昇格できない会社もあります。