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 デジタル技術による自動化や効率化が業種・業態を問わず進むなか、いまだ取り残されているのが裁判に関わる作業だ。契約書の作成から内容や規約のチェック、文書やデータの管理、さらに裁判そのものまで、多くが今も紙ベースである。

 だがこれら全ての領域にわたる電子化の取り組みがようやく始まった。今回から3回で「裁判のペーパーレス化」の最前線を追う。今回は相次ぎ生まれたリーガルベンチャーを取り上げる。

 裁判に関わる様々な手続きをはじめとする、企業の法務担当者の業務をITで効率化する──。こうしたリーガルテックと呼ばれるサービスを提供するベンチャーが続々と登場している。それがリーガルベンチャーだ。

 リーガルベンチャーのサービスを利用すれば、契約書の共有から自動チェックまでの業務を、クラウドを安全に利用しながら効率的に実行できる。代表的なリーガルベンチャーとして、RUC、DataSign、リーガルフォースの3社を紹介しよう

RUC:クラウドで文書共有する「リーガル版GitHub」

 多数のエンジニアが協調して作業する際によく使うのが、ソースコードのバージョン管理の仕組みを提供するGitHub(ギットハブ)だ。ソースコード共有サービスの世界最大手であり、米マイクロソフトが2018年6月4日に買収を公表して注目を集めた。

 スタートアップ企業のRUCが2017月12月に提供を始めたWebサービス「Hubble(ハブル)」はリーガル版GitHubと呼べるものだ。多数の法務担当者が契約書などを互いにチェックし合いつつ作成でき、履歴も管理できる。

図 RUCの「Hubble(ハブル)」の画面例
図 RUCの「Hubble(ハブル)」の画面例
(出所:RUC)

 企業の法務部門の担当者はWordで作った文書を修正履歴を付けてメールでやり取りしつつ、作業を進めるケースが多い。この場合、各担当者のPCに保存した文書の変更履歴を互いに同期させるのは難しい。異なるバージョンの文書が存在して、管理が複雑になる事態が起こりやすい問題もある。

 Hubbleはこうした問題の解決を狙う。法務担当者はWordを使いながらクラウドに文書を自動的に保存することで、誰がいつ、どの箇所を加筆修正したかが分かるようにしている。

 Web画面で文書を指定して「Wordで開く」というボタンを押すと、それぞれのPCに保存した文書を扱うのと同じ感覚で、文書ファイルを開ける。編集作業を完了してファイルを閉じると、自動的にクラウドに保存される。法務部門の担当者はこれら一連の作業を使い慣れたWordで進められる。

 多数の法務担当者が同時に作業しており、1人が文書を共有していない間に別の担当者が前のバージョンで編集作業をして複数の文書が存在する場合もある。Hubbleではバージョンの分岐や統合を容易にでき、文書ファイルを自動で統合して最新版を作成することも可能だ。