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 サッカーのスパイクでボールを蹴った時に、ボールが当たった位置や与える撃力(衝突や打撃など、非常に短い時間に作用する大きな力)を直接計測――。従来のウエアラブル型デバイスでは実現できなかった、このような用途展開を可能にするセンサーが登場した。帝人子会社の帝人フロンティアと関西大学システム理工学部計測物性工学研究室が共同開発したひも状センサー「圧電組紐(くみひも)」である。

帝人フロンティアと関西大学が共同開発したひも状センサー「圧電組紐(くみひも)」。太さ0.5mmの組みひも構造をしている
帝人フロンティアと関西大学が共同開発したひも状センサー「圧電組紐(くみひも)」。太さ0.5mmの組みひも構造をしている
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 圧電性を有する高分子のポリ乳酸繊維を組みひも構造に加工した、太さ0.5mmのセンサーで、形状の自由度(織物、編物、刺しゅうなど)と強じん性、さらに高いファッション性を特徴とする。ひも状であるため、スパイクやウェアなどに織り込んだりすることで、ボールなどが当たったりする際に生じる撃力を直接測れる。

 通常、ウエアラブルデバイスはMEMS(微小電子機械システム)や圧電セラミックスのセンサーを内蔵するが、センサーそのものがチップ状で硬かったりすることなどから、使用個所が限定される課題があった。今回の開発では、帝人フロンティアがセンサーを、関西大学が同センサーを使って計測するソリューションとアプリを開発した。