日経 xTECH分解班は、ファッションECサイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイが開発した採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」を入手。マーカーの分析や測定実験を通して、自動採寸の仕組みを調査した。今回の「疑似分解編」では、スーツの素材やマーカーの配置など、実物から分かる情報に基づいて、ZOZOSUITの特徴的な“水玉”デザインの理由を追究する。
「ZOZOSUIT、まだ届いていないんですか?もうみんなとっくに持っているものと思ってましたよ」
スマートフォン(スマホ)やゲーム機器、ロボット、AI(人工知能)スピーカー、果ては自動車まで分解してきた「日経 xTECH分解班」。分解班の起源は日経エレクトロニクス本誌ということもあり、これまでの分解対象は主に電子機器だった。しかし、あらゆるものがインターネットにつながるIoT時代の今、テクノロジーが宿るのは当然電子機器に限定されない。
というわけで、今回のターゲットは、スタートトゥデイの採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT」である(関連記事:「ZOZOSUITが仕様を完全変更、マーカーで計測する『新型』提供へ」)。測定結果を基に同社のECサイト上で「自分ピッタリサイズ」の服を購入できるシステムが売りで、2017年11月22日の発表以降、2018年5月1日時点で累計注文数が100万を超えた。
伸縮センサーを搭載する「旧型」から、スマホのカメラでマーカーを読み取る光学式の「新型」へと仕様を完全に変更したことで話題を集めた。
新型の出荷開始日は2018年4月27日。筆者は11月末に予約したのだが、実は記事執筆時点でまだ届いていない。そんな筆者に冒頭の言葉を掛けたのが、編集部のKデスク(男性)である。Kデスクは発表直後にZOZOSUITを予約注文し、ゴールデンウイーク頃には入手していたという。
“ブツ”を手に入れないと始まらないので、分解班はKデスクに頼み込んでZOZOSUITを借り、自動採寸の仕組みを詳しく調べることにした。借り物をバラバラにするわけではないが、「新製品の機能を実現する技術を明らかにする」という意味では“疑似分解”と言っていいだろう。