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 「200年永らえる高耐久性」を目指した鉄筋コンクリート造の建築が大阪市に立つ。コンクリート強度を上げ、かぶり厚を大きくして長寿命化を図った。一方、テナント間の間仕切りや床スラブは解体・移設しやすくし、長期の運用にも配慮した。

 建て主からの希望はシンプルで「200年持続するテナントビル」を計画してほしいというものだった。「NAGAYA 200」〔写真1〕の設計を手掛けた芦澤竜一建築設計事務所(大阪市)の芦澤竜一代表は、要望に応えるために高耐久コンクリートを活用することにした。

〔写真1〕200年後も残り続ける建築に
〔写真1〕200年後も残り続ける建築に
NAGAYA200の正面ファサード。高耐久コンクリートの活用や、壁厚を大きくすることによって建て主の要望である「200年永らえる高耐久建築」を目指した(写真:kaori ichikawa)
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 200年の耐久性を考え、JASS5が示す規格を参考にした。JASS5では計画供用期間に対し、耐久設計基準強度(Fc値)がどの程度必要かを定めている。一般的な建築に使われるコンクリートはFc値24N/mm²で65年の計画供用期間となっている。

 NAGAYA200では超長期(200年)を想定した計画供用期間の強度条件を満たすFc値36N/mm²を採用した。スラブのかぶり厚に関しても、通常よりも10mm大きくし、屋内30mm、屋外40mmとした。

 さらに壁厚も、長手方向は350mm、短手方向は300mmと通常より大きくとった。NAGAYA200は、活断層の上町断層近くに立つ。200年持続させることを目標とすると、将来の地震にも備える必要がある。壁厚を大きくすることで、建築基準法が定める耐震基準より1.5倍の安全性を持つ耐震性能を確保した〔写真2〕。

〔写真2〕長寿命化に加え高い耐震性も
〔写真2〕長寿命化に加え高い耐震性も
スラブのかぶり厚を大きく確保し、建物の長寿命化を図った。さらに、壁厚も大きく確保することで、建築基準法が定める耐震基準より1.5倍の安全性を持つ耐震性を実現した(写真:芦澤竜一建築設計事務所)
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 また、高耐久コンクリートは水セメント比を抑えて打設するため、含浸材が浸透しにくいという問題があった。表面が平滑な打ち放しのコンクリートは含浸性が落ちるため、コンクリート表面にポーラス状に荒らす加工を施した。含浸材には、シリカ系含浸コート剤を活用することによって、コンクリートの中性化による内部劣化だけでなく、表面の汚れを防ぐ機能も期待することができる。

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