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19%。これは、鳳建設(岐阜市)設計部の森亨介氏が、過去に同社で建てた顧客の住宅に設置されている熱交換型換気設備の使用状態から算出した熱交換率だ。
住宅にはダクトレスの熱交換型換気設備を採用している。70秒ごとに給気から排気に切り替えて熱交換するタイプだ〔写真1〕。カタログには「最大91%の熱交換率」と書かれているが、その性能を引き出せていない。
〔写真1〕ダクトを使わず壁に埋め込む
熱交換率が下がった住宅で採用していた熱交換型換気設備。1台で給気と排気を兼ねる。上は室内側から見たところ。下はセラミック製の熱交換素子。ここに蓄熱する(写真:鳳建設)
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熱交換率とは室内の空気から熱を回収して給気した外気に熱を移す際の、熱の回収率を示す。森氏が実際の熱交換率を算出したのは、給気口で冷気を感じたからだ。給気側の熱交換素子の温度を測ると、外気温に近い9.9℃だった〔図1〕。
〔図1〕熱交換率が19%に低下
所定の熱交換率で運転できている理想の状態(資料:取材を基に日経ホームビルダーが作成)
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熱交換率が19%に低下した実際の状態(資料:取材を基に日経ホームビルダーが作成)
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