ダクト式機械換気設備は、任意の場所への給気、任意の場所からの排気が可能で、プロペラ式の換気設備よりも質の高い室内空気環境を構築できる。ただ、設計・施工が難しいうえに、換気量を維持するためのメンテナンスが不可欠なので、設置や運用には配慮が必要だ。
そこで、住宅実務者の指針としたいのが、建築環境・省エネルギー機構(IBEC)が2016年にまとめた小冊子「住宅用機械換気設備の計画と性能評価」だ〔写真1〕。住宅業界での認知度や活用度はまだ十分ではないものの、参考にできる点は少なくない。一部で局所換気設備についても解説しているものの、大半を24時間換気設備の説明に割いている。
「ダクト式機械換気設備に特化し、設計・施工に際しての留意点や運用・保守のポイントを実務者向けにまとめた」。同書の制作に携わった建築研究所の澤地孝男理事は、発刊の狙いをこう説明する。