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 広島県は、広島中央警察署本通交番庁舎の設計者を選ぶ公募型プロポーザルで、特定者に南俊允建築設計事務所(東京・杉並)を選定した。次点者は近藤哲雄建築設計事務所(東京・目黒)だった。全国から79に及ぶ提案が寄せられた。

通りからの全景。「大きな屋根の下の自由な空間」と「力強い柱」が特徴だ(資料:南俊允建築設計事務所)
通りからの全景。「大きな屋根の下の自由な空間」と「力強い柱」が特徴だ(資料:南俊允建築設計事務所)
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 広島市中区本通に立つ現在の本通交番は1969年に建設。老朽化が進行していたため、長年親しまれてきた現在地での建て替え整備を進めることになった。

構成ダイヤグラム。プライバシー性の高い諸室をボックス状の部屋として随所に配置している。見通しの利く事務空間から諸室が見渡せる(資料:南俊允建築設計事務所)
構成ダイヤグラム。プライバシー性の高い諸室をボックス状の部屋として随所に配置している。見通しの利く事務空間から諸室が見渡せる(資料:南俊允建築設計事務所)
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 設計者選定の評価テーマは、(1)親しみやすさと力強さを備えた機能的な施設づくり、(2)周辺環境と調和した良好な景観の形成に資する魅力ある施設づくり――の2点。県は整備に当たって、地域の安全・安心の要として、交番の役割を最大限発揮させる機能性と、「にぎわいと交流」を生み出す魅力を兼ね備えた公共建築物を求めていた。

 審査部会は、部会長の平田晃久・京都大学教授(平田晃久建築設計事務所主宰)、小野田泰明・東北大学大学院教授、角倉英明・広島大学大学院准教授の外部委員3人に県関係者を加えて構成。全国の79者から簡易提案書が寄せられ、2019年12月20日の第1次審査で6者を選んだ。20年2月7日の2次審査で技術提案書のプレゼンテーションおよび質疑応答による審査を行い、設計候補者として特定者と次点者、各1者を選定した。

特定者の技術提案書(資料:南俊允建築設計事務所)
特定者の技術提案書(資料:南俊允建築設計事務所)
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 特定者に選ばれた南俊允建築設計事務所の案は、「大きな屋根の下の自由な空間」と「力強い柱」を中心に、皆の心のよりどころとなる生命力にあふれた「大きな木々の下のような交番」だ。次の3つのコンセプトを軸に、平和を願う広島らしい建築を提案している。

(1)交番を人々が集うプラットフォームと捉え、様々な活動と人の気配が感じられる温かさのある建築にする。
(2)街に対して壁で隔てるのではなく、大きな屋根により「人々のよりどころ」と「開かれた街並み」にする。
(3)「力強い屋根・柱」と「更新可能なピロティ空間」により、時代を超え100年後も立ち続ける建築にする。