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 群馬県太田市は、太田西複合拠点公共施設(仮称)の設計者を選ぶ公募型プロポーザルで、最優秀者に平田晃久建築設計事務所(東京・港)を選定した。次点者は新居千秋都市建築設計(同・目黒)だった。 

建物全体を見下ろしたイメージ。車で気軽に訪れることのできる図書館とする。立体的な緑の連続が市民の多様な活動を受け入れる(資料:平田晃久建築設計事務所)
建物全体を見下ろしたイメージ。車で気軽に訪れることのできる図書館とする。立体的な緑の連続が市民の多様な活動を受け入れる(資料:平田晃久建築設計事務所)
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 太田西複合拠点公共施設は、老朽化によって建て替えが必要となる太田市立新田図書館、保健センターや行政窓口機能を統合する複合施設だ。太田市が持つ豊かな自然・歴史・文化といった地域資源を生かした交流拠点であり、同市西部地域のにぎわい拠点となり得る施設を目指す。

最優秀者の技術提案書の一部。駐車場が川や緑と接続する風景をつくり出す。半ば空中に持ち上げた環状の箱の組み合わせによって、駐車場を最大化するとともに、立体的な緑のランドスケープ、城砦(じょうさい)を思わせる雁行(がんこう)壁を共存させる(資料:平田晃久建築設計事務所)
最優秀者の技術提案書の一部。駐車場が川や緑と接続する風景をつくり出す。半ば空中に持ち上げた環状の箱の組み合わせによって、駐車場を最大化するとともに、立体的な緑のランドスケープ、城砦(じょうさい)を思わせる雁行(がんこう)壁を共存させる(資料:平田晃久建築設計事務所)
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 最優秀者に選ばれた平田晃久建築設計事務所の案は、「新しい太田の風景をつくる」がテーマ。建物の一部を持ち上げ、駐車台数を最大化して、車で気軽に訪れられる図書館とする。他方で、敷地を柔らかに横断する遊歩道沿いを緑化し、暑い夏でも木陰を歩いて移動できるようにする。

全体イメージ。緩やかに連続する庭のような、本とにぎわいの拠点をつくる。書架ゾーンや機械設備を持ち上げることで本や貴重資料を守り、災害発生時にも機能維持が可能な拠点施設を目指す(資料:平田晃久建築設計事務所)
全体イメージ。緩やかに連続する庭のような、本とにぎわいの拠点をつくる。書架ゾーンや機械設備を持ち上げることで本や貴重資料を守り、災害発生時にも機能維持が可能な拠点施設を目指す(資料:平田晃久建築設計事務所)
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 本の貸し借りやイベントとの関連など、相互関係を生み、本とにぎわいの拠点をつくる。図書館や子育て支援交流エリア、保健センター、行政センターなど、複合する機能が緩やかに連続する“庭のような建築”を提案している。

屋根下駐車場のイメージ。持ち上げられたボリュームの下の駐車場は、マルシェやキッチンカーのスペースなど、多目的に利用できる(資料:平田晃久建築設計事務所)
屋根下駐車場のイメージ。持ち上げられたボリュームの下の駐車場は、マルシェやキッチンカーのスペースなど、多目的に利用できる(資料:平田晃久建築設計事務所)
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 審査講評では、「『各施設の機能』『施設間連携・にぎわいづくり』『環境負荷低減』『地域との調和』『災害対策』など、全項目で高い評価を得た。総合的にバランスの取れたロジカルな企画であるばかりでなく、住民に長く愛され、利用されていく地域のランドマークとなり得る卓抜した提案が特に高く評価された」とした。また、「屋上テラスや、イベントなどで利用可能な屋根下駐車場といった立体的で合理的な利用が可能となることなど、機能・デザイン・環境を兼ね備えた点は未来的な期待を感じさせる」と講評している。

図書館のイメージ。ブラウジングスペースは緩やかなスロープでつながる庭のような空間となる。一方、ブラウジングを除く開架書架と書庫は同レベル上にあり、効率的に配架できる(資料:平田晃久建築設計事務所)
図書館のイメージ。ブラウジングスペースは緩やかなスロープでつながる庭のような空間となる。一方、ブラウジングを除く開架書架と書庫は同レベル上にあり、効率的に配架できる(資料:平田晃久建築設計事務所)
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