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 長野県と木曽町は、「御嶽山ビジターセンター(仮称)」の設計者を選定する公募型プロポーザルで、最適候補者にyHa architects(ワイエイチエイアーキテクツ、福岡市)を選定した。次点は千葉学建築計画事務所(東京・渋谷)だった。 

全体イメージ。左手が御嶽山へのゲート「山エリア」、右手が山麓の「里エリア」(資料:yHa architects)
全体イメージ。左手が御嶽山へのゲート「山エリア」、右手が山麓の「里エリア」(資料:yHa architects)
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 長野県木曽町と王滝村などにまたがる御嶽山が2014年9月27日に噴火し、死者58人、行方不明者5人という火山災害が発生した。この災害から得た教訓を踏まえ、長野県と木曽町は連携してビジターセンターを建てることにした。

 県は王滝村内に「御岳県立公園御嶽山ビジターセンター(仮称)」を、木曽町は町内に「木曽町御嶽山ビジターセンター(仮称)」を建設する。両施設の総称が「御嶽山ビジターセンター(仮称)」だ。20年2月に策定された「御嶽山ビジターセンター基本構想」では、山を間近に望める御岳県立公園内を「山エリア」、観光客などが立ち寄りやすい山麓を「里エリア」と位置付けている。

山エリアの外観パース。建物は細長く配置し、西側にトイレ・管理共用ゾーン、東側に展示・休憩飲食スペースを集約する。駐車場からエントランスへは、2つのボリュームの間の大階段からアプローチする(資料:yHa architects)
山エリアの外観パース。建物は細長く配置し、西側にトイレ・管理共用ゾーン、東側に展示・休憩飲食スペースを集約する。駐車場からエントランスへは、2つのボリュームの間の大階段からアプローチする(資料:yHa architects)
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 プロポーザルには、92者から提案書の提出があり、20年7月10日の1次審査で6者を選出。7月26日に2次審査を行い、最適候補者と次点、各1者を選定した。

山エリアの大階段。御嶽山を眺めながら休憩ができる(資料:yHa architects)
山エリアの大階段。御嶽山を眺めながら休憩ができる(資料:yHa architects)
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 最適候補者に選ばれたyHa architectsの案は、自然の中にあって自らが引き立つと同時に周囲の自然を際立たせ、御嶽の雄大なランドスケープに呼応する。斜め棟の伸びやかな屋根を架けることで、山エリアでは山並みの風景を切り取り、里エリアでは道の駅の切妻屋根と呼応して、一体感のある風景をつくる。

 来訪者の視認性が高い赤い屋根や、溶岩石材を詰めた蛇籠(鉄線で編んだ石詰め籠)による「溶岩ウォール」の外壁を備える。また、山エリアでは御嶽山、里エリアでは木曽駒ケ岳への風景をフレーミングする大階段を建物中央に設け、この場所ならではの印象的な光景をつくり出す。

王滝川と木曽駒ケ岳へのビューをつくる里エリアの外観パース。北側にエントランス・飲食スペース・トイレ・管理共用ゾーン、南側に天井の高い展示ゾーンを集約する(資料:yHa architects)
王滝川と木曽駒ケ岳へのビューをつくる里エリアの外観パース。北側にエントランス・飲食スペース・トイレ・管理共用ゾーン、南側に天井の高い展示ゾーンを集約する(資料:yHa architects)
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