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 北海道の東神楽町と美瑛町、東川町で構成する大雪(たいせつ)葬斎組合は、大雪葬斎場整備事業の設計者を選定する公募型プロポーザルで、藤本壮介建築設計事務所(東京・江東)とアイエイ研究所(北海道旭川市)の2社によるJV(設計等共同体)を特定者に選んだ。

アプローチのイメージパース。ゆったりとした丘の向こうに、大雪山や十勝岳連峰を望む。緩やかなスロープの先にエントランスが控える(資料:藤本壮介建築設計事務所・アイエイ研究所JV)
アプローチのイメージパース。ゆったりとした丘の向こうに、大雪山や十勝岳連峰を望む。緩やかなスロープの先にエントランスが控える(資料:藤本壮介建築設計事務所・アイエイ研究所JV)
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 東神楽町と美瑛町、東川町の3町は火葬業務を共同運営し、東神楽町内に火葬場を設置している。1976年に建設された現在の大雪葬斎場は、建築物と火葬炉設備の老朽化や経年劣化が見られ、耐震性不足も懸念される。また、近年の葬送ニーズやバリアフリーへの対応も不十分であるなどの理由で、建て替えを進めることになった。

特定者の技術提案書の一部(資料:藤本壮介建築設計事務所・アイエイ研究所JV)
特定者の技術提案書の一部(資料:藤本壮介建築設計事務所・アイエイ研究所JV)
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 大雪葬斎組合は、技術提案書の審査で、次の3テーマに対する提案を求めた。(1)周辺環境と調和した癒やしの葬斎場、(2)誰にでも利用しやすい優しい葬斎場、(3)環境に配慮し、長く使い続けられる葬斎場――。

広く取ったエントランスホール。同時受け入れの際、ゆとりのある空間、動線を提供する。雄大な風景と白樺(しらかば)を植えた光庭に囲まれる(資料:藤本壮介建築設計事務所・アイエイ研究所JV)
広く取ったエントランスホール。同時受け入れの際、ゆとりのある空間、動線を提供する。雄大な風景と白樺(しらかば)を植えた光庭に囲まれる(資料:藤本壮介建築設計事務所・アイエイ研究所JV)
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 特定者になった藤本壮介建築設計事務所・アイエイ研究所JVの提案は、周辺地域の景観と葬送習慣を読み解き、残された遺族に寄り添う場所をつくり出すもの。遠景に大雪山や十勝岳連峰など、町の人が日常見慣れた山並みが展開し、町のどこにいても見守ってくれる風景とともに弔う構成とする。

故人に最後の別れを告げる炉前ホール。2カ所に分割し、施設全体のコンパクト化を図りつつ、誰にでも分かりやすくシンプルな平面構成・動線計画とする(資料:藤本壮介建築設計事務所・アイエイ研究所JV)
故人に最後の別れを告げる炉前ホール。2カ所に分割し、施設全体のコンパクト化を図りつつ、誰にでも分かりやすくシンプルな平面構成・動線計画とする(資料:藤本壮介建築設計事務所・アイエイ研究所JV)
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 新しい施設が町の日常風景の一部として、地域に根差す葬斎場となることを目指す。故人に最後の別れを告げる炉前ホールは、一会葬者グループが専有でき、多様化する葬送形式に適応する。

外観イメージ。北海道道68号旭川空港線や周辺から垣間見える外観に細心の注意を払いつつ、最後の別れの場にふさわしいたたずまいを目指す(資料:藤本壮介建築設計事務所・アイエイ研究所JV)
外観イメージ。北海道道68号旭川空港線や周辺から垣間見える外観に細心の注意を払いつつ、最後の別れの場にふさわしいたたずまいを目指す(資料:藤本壮介建築設計事務所・アイエイ研究所JV)
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