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 受託開発中心のIT企業、ボックスソフトウエア(以下、ボックス社)は業績回復を狙い、自社企画のサイト運営でビジネスモデルの転換を図ろうとしている。だが新システムの開発は失敗、清田はプロジェクトの担当から外れる。代わりに白羽の矢が立った村上は社長の辻岡に「DevOpsに取り組んでもらう」と言われて、とまどう。

(画像:123RF)
(画像:123RF)
<主要人物>
村上 龍彦:ボックスソフトウエア プロジェクトマネジャー。丁寧なプロジェクト運営に定評がある
小寺 泉:ボックスソフトウエア ビジネスマネジャー。ビジネスで確実に成果を上げるが、人の気持ちや感情は二の次
清田 彰:ボックスソフトウエア プロジェクトマネジャー。村上と同期で数々のプロジェクトを成功に導いてきた

「あいつが全てを壊していく」

 「プロジェクトの引き継ぎをしたい。時間をもらえないか」。新プロジェクトでマネジャーを務めることになった村上龍彦は、前任者の清田彰にメールを送った。

 清田は村上の同期だが、村上が積極的に関わりたいと思う相手ではなかった。成功を鼻にかけるところがあったからだ。それでも研修などでよく顔を合わせるし、会えばそれなりに会話を交わしていた。

 清田からは思ったよりも早く返事が来た。「午後なら時間が取れる」と簡素な内容だ。午後になると、村上はすぐに清田に会いに行った。

村上「聞いているかもしれないが、君が担当していた人間ドックのプロジェクト、僕が引き継ぐことになった。プロジェクトで何があったのか教えてくれないか?」

清田「ひどいものさ。どんな顧客だって、あそこまでうるさくは言わないだろう。計画も何もあったものじゃない。あいつが全て壊していくんだ」

村上「あいつって?」

清田「ビジネスマネジャーの小寺泉だよ」

村上「小寺泉…?聞かない名前だ。ウチにそんな人いたっけ?」