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 受託開発中心のIT企業、ボックスソフトウエア(以下、ボックス社)は業績回復を狙い、自社企画のサイト運営でビジネスモデルの転換を図ろうとしたが新システムの開発に失敗、プロジェクトは仕切り直しとなった。新たにプロジェクトマネジャーを務める村上は未経験のDevOpsを採用することに決めた。

(画像:123RF)
(画像:123RF)

●主要人物
村上 龍彦:ボックスソフトウエア プロジェクトマネジャー。丁寧なプロジェクト運営に定評がある
須田 洋次郎:アジャイル開発やDevOpsの導入支援に携わるコンサルタント。様々な企業を再生させた実績を持つ

●DevOpsチームメンバー
一橋 雄介:開発担当。プログラミングは得意だが後先を顧みない
二葉 圭吾:開発チームリーダー。経験豊富だが、口が悪い
三田 里紗:開発担当。チーム唯一の女性で、常に冷静
四谷 勝久:開発担当。早とちりしがちで、自分に今一つ自信を持てない
五反田 雅夫:開発担当。何でもそつなくこなす、頼れる兄貴分

リリース期間半減が目標だが…

 本社オフィスから戻ったプロジェクトマネジャーの村上龍彦は、その日のうちにチームメンバーを集めてキックオフを実施。「アジャイル開発の手法を採用し、来週の月曜日に計画ミーティングを開く」と宣言した。

 村上はもちろん、メンバーにもアジャイル開発やDevOpsの経験はない。全員に「アジャイル開発やDevOpsについて勉強しておくように」と伝えた。村上自身も週末に入門書を一通り読み、見よう見まねで計画ミーティングをやってみようと考えた。

 月曜の朝。計画ミーティングに臨んだ村上は自分の考えが甘かったことに気づく。アジャイル開発やDevOpsについてそれなりに知識を付けたつもりだったが、それ以前に議論すら始められない状況だったのだ。

 チームに課せられていたのは、新サービスを3カ月でリリース可能にするという目標だ。前任者の清田彰が手掛けたプロジェクトでは、リリース期間は6カ月としていた。今回はアジャイル開発やDevOpsを導入して、期間を半減しなければならない。

 チームメンバーには最初からあきらめムードが漂っていた。

「リリースの1カ月前に品質部門にリリース申請書を提供しないといけません。開発から2カ月でできるとは思えません」
「そもそも設計書やテスト仕様書を書くだけで数カ月もかかるんですよ」
「システムテストの環境も用意できません」

 出てくるのは不平や不満ばかりだ。これから始まる「炎上プロジェクト」におびえ、何とか逃れたいという態度を隠そうとしない。