
「オープンソース」という単語を聞くと、ソフトウエアのことを思い浮かべると思います。有名なものにはOSの「Linux」や、Webサーバーを構築する「Apache Web Server」などがあります。
実は世界に目を転じると、ソフトウエアだけではなくハードウエアをオープンソースにする「オープンソースハードウエア」が非常に大きなブームを巻き起こしています。今回は、ハードウエアをオープンソースにする意味と、オープンソースにすることで、今後社会にどのような影響を与えるのかについて考えてみましょう。
実現しているオープンソースハードウエア
オープンソースソフトウエアの旗手として有名なのは、マイクロコントローラーである「Arduino」です。
ArduinoはICを搭載しています。プログラムによってGPIOピンというピンから電流を流し、電圧を読み取るといった機能を持っています。これを使うと、プログラム制御によりLEDを点灯させたり、モーターを動かしたりできます。加えて、温度センサーなど各種のセンサーから情報を受け取り、他の機器と通信を行うといったことが可能になります。
Arduinoはイタリアの「Arduino財団」が教育用に開発したものです。興味深いのは、電子回路の設計情報やICに登録するブートプログラムのソースコードの全てがインターネット上に公開されていることです(Arduino Unoの回路図)。
Arduino以外にも、3Dプリンターや電気自動車、農業用のCNC(コンピューター数値制御装置)、太陽光発電システム、ノートパソコン、CPUなどさまざまな製品が、オープンソースハードウエアとして仕様を公開されています。