PR
伊本貴士
伊本貴士
メディアスケッチ代表取締役 兼 コーデセブン CTO、サイバー大学客員講師

 人類はこれまでに、3度の「産業革命」を経験したと言われています。「第3次産業革命」は、ご存じの通り1900年代の後半に起こった「IT革命」と呼ばれるものです。この第3次産業革命により、サービスというものの価値が最も変化しました。その証拠に、米グーグル(Google)や米フェイスブック(Facebook)といった情報サービスを無料で提供する企業が時価総額ランキングの上位を占めるようになりました。

 では、「第4次産業革命時代」において、最も価値が変化するものは何でしょうか? いろいろな意見がありますが、私はデータだと考えています。その理由は、これからは経営判断するにも工場を動かすにも、サービスを提供するのにも多くのデータが不可欠になるからです。

データドリブン経営とは

 IoT(Internet of Things)や人工知能といった技術が浸透し、データを活用することで新しい価値を生み出す企業が出始めています。例えば、旭酒造(山口県岩国市)は、データによる環境管理により日本酒を製造。「獺祭(だっさい)」というブランドで大成功を収めました。こうした変化は、これまで人間が経験と勘で行ってきたさまざまな判断を、データ分析に基づいて行う方式に切り替えているのです。

 顧客の需要予測や株価の変動、植物の生育環境、化学反応、医療における病気など、その結果に対して数多くの要因が影響しています。その要因同士が複雑に影響しあっているような現象は、人間には分からないことが多く、データ分析(特に人工知能による分析)に向いていると言えるでしょう。