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なぜITエンジニアの待遇は良くならないのか?

 日本では、いつのまにITエンジニアの待遇が悪くなってしまったのでしょうか?

 新3Kにある、きつい、帰れないというのはその通りです。しかし、常にそうした状況というわけではありません。どんな仕事であっても、きついときもあれば、帰れないときもあるものです。

 若い世代に人気の高い公務員ですが、多くの公務員の人と一緒に仕事をする機会がある私に言わせてもらうと、公務員も十分にきついし、帰れない時もあります。最近は、自然災害も多く、緊急対応時は公務員でも休日出勤は当然あります。

 ただ、IT業界では多くはありませんが、万年炎上しているプロジェクトや企業があることも確かです。理由は、多くの場合、管理者が無能だからです。

 適切な見積もりを行い、それに見合った金額を請求して、相手の要求に対応可能なものは「できます」、不可能なものは「できません」と答えればよいのです。しかしながら、日本の企業には、「お客様に口答えしてはいけない」という悪しき慣習が非常に根強く残っています。

 そのため、最終的にそのツケを払わされるのは現場にいる末端のエンジニアです。私も何度も、「お客様が言っているのだから仕方がないだろう」と先輩から言われました。しかし、私がリーダーになってお客様ときちんと話をすると、「そんな無理なことを言っている認識はなかった」と言われたことが何度もあります。

辞めればいい

 今でも、多くのエンジニアから「今の仕事はしんどい」「辞めたい」という声を聞きます。私は迷わず「転職すればよいのでは?」と言いますが、ほとんどの人はそのまま「しんどい企業に残る」という選択をします。

 実は、それがITエンジニアの待遇が悪い原因だと思っています。悪い待遇でもエンジニアが一生懸命働いてくれるので、経営者が「これで構わないんだ」と調子に乗ってしまうからです。

 ITエンジニアには、上司や社長、顧客に対しても、きちんと自分の考えを述べ、できないことはできないとはっきりと言う。また、それを理解してもらうための高いコミュニケーション能力を身に付ける。

 言われたことをやり、暗い部屋でひたすらキーボードを叩(たた)いていれば済むエンジニアの時代なんてものは、とっくの昔に終わっているのです。