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 土砂災害が相次いだ広島県呉市とその周辺市町では、被災から数日間、道路や鉄道の不通によって孤立状態が続いた。日経コンストラクションの記者は7月12日に現地に入り、5日ぶりに開通した国道31号沿いにある同県坂町(さかちょう)と呉市の状況を前編に記した。後編では、同県竹原市の中心部を流れる賀茂川が氾濫したエリアと、土砂崩れが相次いだ東広島市黒瀬地区の様子を中心にお伝えする。

 広島県呉市から国道185号を東に進み、竹原市に入った。竹原市は豪雨災害の直後、周辺の自治体に通じる道路が土砂災害などで通行止めになり、複数の集落が孤立した。そのためか、報道などで事前に得られる被害の情報は少なかった。

7月12日の広島県竹原市内の道路開通状況。市街地は瀬戸内海に面し、中心を二級河川の賀茂川が流れる。三方を山に囲まれており、土砂災害による道路の寸断で一時的に孤立状態になった(資料:竹原市)
7月12日の広島県竹原市内の道路開通状況。市街地は瀬戸内海に面し、中心を二級河川の賀茂川が流れる。三方を山に囲まれており、土砂災害による道路の寸断で一時的に孤立状態になった(資料:竹原市)
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 「市の中心を流れる賀茂川が氾濫し、周辺にある家の1階が水に浸かっていた」。休憩に寄った道の駅で市民からこう聞き、賀茂川沿いを北に向かって進むことにした。賀茂川は中流から下流にかけて周辺の土地よりも高い位置を流れる天井川になっており、たびたび水害を引き起こしている。

 周囲の住宅地の水は既に引いていたものの、河床には大量の土砂が堆積しており、護岸が壊れている箇所も目立った。川沿いの住宅で流れ込んだ土砂を掃除していた84才の女性は、「これほどの水が押し寄せたのは子どもの頃に経験した洪水以来だ」と話した。1945年に枕崎台風が呉市周辺で引き起こした大規模な洪水を指すとみられる。その後に河川整備が進んだことを踏まえると、今回の洪水は過去最大級の規模だったようだ。

賀茂川の壊れた護岸にブルーシートが掛けられている(写真:日経コンストラクション)
賀茂川の壊れた護岸にブルーシートが掛けられている(写真:日経コンストラクション)
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河道脇の歩道が川の水でえぐられていた。山と川の間のわずかな平地や斜面に住宅が並ぶ(写真:日経コンストラクション)
河道脇の歩道が川の水でえぐられていた。山と川の間のわずかな平地や斜面に住宅が並ぶ(写真:日経コンストラクション)
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