仕事と家庭の両立という意味では、その会社は理想的でした。育児休暇の取得率も100%で、子供ができても仕事を続けられます。仕事にやりがいは感じられなくても、この場に留まるという選択もある、と思いました。

 でも、結局、彼とは結婚せずに別れました。本当に彼と結婚したいのかを考えた末に、お断りしたのです。同時に、これ以上この会社にいる意味はないと考えて、転職する決意をしました。

そして、現職のベンチャー企業に移られたと。

 はい。私はやっぱり、安定した会社で安穏と仕事をすることにはやりがいを感じられない。小さな会社が大きくなるところに居合わせたい、と思ったのです。

 今の会社はITを使った教育事業を手掛けているのですが、その事業内容にも興味を抱きました。というのも、私はずっと学校が嫌いで。小学校のころ、自分が好きな服装をして登校したらいじめられたんですね。それ以来学校になじめず、コンプレックスを抱いていました。

 あのときの私みたいに悩んでいる子は、今もたくさんいるはず。この会社なら、そんな子に手助けができるんじゃないか。そう思いました。

 今の会社に移って1年半ほど経ちますが、毎日楽しく働いています。採用だけでなく、広報や、より経営に近い仕事もさせてもらっていて、自分のスキルの幅も広がっていると感じます。

採用側の視点でキャリアを考えられるように

今の会社には、しばらく腰を落ち着けるのでしょうか。

 先の事は分かりませんが、仮に転職するとしても、かなり先のことだろうと思います。実は近々、結婚する予定なのですが、この会社なら結婚しても仕事を続けられそうですし。

 年齢的にも、今は動くときではないと考えています。私はもうすぐ30歳なのですが、30代半ばまでは、この会社で経験を積みたい。次に転職するときには、採用側から、より専門性の高いスキルや経験が求められるだろうと感じるからです。

さすが、元キャリアカウンセラーならではの戦略ですね。

 確かに、人材紹介会社での経験は財産になっています。採用側の視点で、自分のキャリアを考えられるようになりましたから。

 面談を通じて、いろんな転職希望者に会ったことも良い経験になりました。転職希望者には本当に様々なタイプがいて、例えば志望企業の面接に落ちたことをキャリアカウンセラーである私のせいにして責め立てる、といった人もいました。それを思えば、人間関係の苦労があってもたいていのことは耐えられます(笑)。