PR

 建築主から寄せられるクレームの大半は、外装仕上げ材関連のトラブルだ。未然に防ぐには仕上げ材の選定や納まりに配慮する必要がある。建物の調査診断の経験豊富な西川忠氏がその勘所を指南する。(日経 xTECH)

 建築の仕上げは「化粧」と呼ばれることがある。女性が毎日化粧に余念がないのも、美しく見せるためと、肌を紫外線や乾燥から守るためではないだろうか。建物の化粧である仕上げ材もまったく同じで、建物の意匠性向上と躯体の劣化防止の役割を担っている〔図1〕。ただ、どんな仕上げ材も弱点を持っているので、その特性を理解したうえで設計・施工しないと、早期劣化など思わぬトラブルを招くことがある。

〔図1〕仕上げ材の役割は女性の化粧と同じ
〔図1〕仕上げ材の役割は女性の化粧と同じ
建築の仕上げ材は、意匠性向上と躯体の劣化防止の役割を担う。これは、女性が美しさの追求と肌の保護を目的として化粧をするのに通じるものがある(イラスト:岡田丈)
[画像のクリックで拡大表示]

 筆者は長年にわたり、建築物の調査診断や耐震補強の設計施工、外壁の改修業務などに携わってきた。そこで実感したことは、意匠性と躯体保護の2つの目標を達成することの難しさである。

 たとえ意匠性に優れた建築でも、仕上げ材の特性をよく理解しないために、躯体の早期劣化を招いて短命に終わることが少なくない。