企業や家庭のパソコンにはプライベートIPアドレスが割り当てられている。そのままでは、グローバルIPアドレスで運用されているインターネットにアクセスできない。そこで活躍しているのが「NAT」だ。NATの基本や仕組み、そしてオンラインゲームを例にどう動いているのかを学ぼう。
実際のアプリでは、どのようにNAT(Network Address Translation)トラバーサルが動いているのだろうか。コンシューマーゲーム機「Nintendo Switch」とオンラインゲーム「スプラトゥーン2」を例にNAT越えの実際を見ていこう。
Nintendo Switchは2017年3月に発売された任天堂のゲーム端末で、ネットワークに無線LANと有線のどちらも利用できる。
スプラトゥーン2は2017年7月に発売された任天堂のゲームタイトルで、インターネット経由でオンライン対戦ができる。このときにはNATトラバーサルを使ってプレイヤー同士が直接通信を行っている。
まずは筆者のNintendo Switch周りの環境を説明しよう。
Nintendo Switchは2階にあるテレビにHDMIで接続し、ほぼ据え置きで使っている。というのも、Nintendo Switch本体の小さい画面よりも大きいテレビ画面のほうが、スプラトゥーン2の対戦に迫力が出て楽しめるためだ。
宅内のネットワーク環境は下図のようになっている。
インターネット接続サービスには「ドコモ光 IPv6」を使っている。上流は日本ネットワークイネイブラー(JPNE)の「v6プラス」で、IPv4 over IPv6の環境になっている。
宅内は2台のルーターによる多段NAT構成になっている。1段目はONU(Optical Network Unit)兼ブロードバンドルーター(PR-S300NE)、2段目は無線LANルーター(MZK-1200DHP)である。あえて多段NATにしているのは、セキュリティを強化するためである。
Nintendo Switchは2階の無線LANルーターに接続しており、多段NATの環境に置かれている。NATの方式を調べたところ、ポート制限コーンNATだった。