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治具を確認する6つのポイント

 では、ここから治具の確認方法に関して、6つのポイントをお伝えします(図5)。冒頭で紹介したベゼルの事例でも、これに基づいて外注先の2次加工の工程を確認していきました。

図5 治具の確認ポイント
図5 治具の確認ポイント
これらは部品を取り付け、実際の作業者に作業してもらって確認する。
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(1)治具がガタつかない。
(2)治具が変形しない。
(3)部品がガタつかない。
(4)部品が変形しない。
(5)作業中(加工中)に部品の変形/振動/動きがない。
(6)部品が毎回同じ位置に固定される。

 上の全ての確認は、必ず部品を取り付けて行います。そして、できれば実際の作業者に作業してもらいます。ただ漫然と眺めているだけでは、絶対に問題は見つかりません。1回の確認では問題点が分からない場合があるので、最低3回は同じ作業を繰り返して確認します。

 問題点が見つかれば、まずはその場で日本語通訳を通して作業者に指摘し、問題点を認識してもらいます。そしてその後、こちらで修正内容を考えて指示するか、もしくは現場の担当者と一緒に修正内容を決めます。

 必ず写真を撮り、後からレポートを作成するのも大切です。レポートには修正内容が明確に分かるように、写真を用いて指示します。もちろんコメントを日本語で書いてもよいのですが、写真だけで修正内容が分かるようにした方が良いでしょう。治具の修正を担当する人は日本語が読めないからです。その後、会議で技術リーダーやラインリーダー、治具担当者などを集めて、修正内容の再確認を行うのです。