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S造とCLT耐力壁のシステム建築

 現在、施工中の賃貸マンション「(仮称)泉区高森2丁目プロジェクト」(仙台市)は、2時間耐火の燃エンウッドの柱や、CLT(直交集成板)の床、CLTの耐震壁を取り入れている。

 このようにCLTの活用にも取り組んでおり、2018年2月に完成した「竹中工務店 匠 ANNEX」(兵庫県川西市)は、地上3階建ての躯体を、国産材によるCLTのパネル工法で建てた。既存の研修施設に不足していた宿泊施設を増築したものだ。当初はRC造で計画していたが、木造に変更した。準耐火建築物となるが、区画を取ることで主要構造部であるCLTを現しにしている。

竹中工務店 匠 ANNEX(資料:竹中工務店)
竹中工務店 匠 ANNEX(資料:竹中工務店)
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 現在、施工中の「兵庫県林業会館」(神戸市)は、都市型耐火CLT建築のプロトタイプとして、S造とCLTのハイブリッド構造を提案した。地上5階建ての建物を、S造のフレームと、CLTの床・壁で構成する。CLTの壁は耐震要素として使う。高層化・大規模化にも展開できるシステムとして考案したものだ。

兵庫県林業会館のCLT耐震壁のディテール。高層モデルも提案する(資料:竹中工務店)
兵庫県林業会館のCLT耐震壁のディテール。高層モデルも提案する(資料:竹中工務店)
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 今、名古屋城の建て替えが進んでいる。当社が担当する大天守の工事は、木造の天守閣を復元するというものだ。現代の建築基準との擦り合わせで難しい課題も出てくるが、建築として満たすべき安全性を確保するために、様々な議論を交わしながら進めている。

 以上、簡単ではあるが、当社の取り組みの近況を報告させていただいた。

「建築サミット2018」のパネルディスカッション。右から順に、林野庁の齋藤健一氏、東京大学の腰原幹雄氏、竹中工務店の小林道和氏、三菱地所の柳瀬拓也氏、日経BP総研の小原隆(写真:都築雅人)
「建築サミット2018」のパネルディスカッション。右から順に、林野庁の齋藤健一氏、東京大学の腰原幹雄氏、竹中工務店の小林道和氏、三菱地所の柳瀬拓也氏、日経BP総研の小原隆(写真:都築雅人)
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