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マイニング用ASIC特許をIntelも出願

 今回の分析からは、海外特許を中心に34件のマイニング用ASIC関連出願が確認できた。特許出願年で見ると、2013年頃から出願が始まり、2018年6月時点で確認できた特許出願の時期は2015~2016年に集中している。近年注目されている分野でもあり、今回検出できなかった未公開出願(2017年以降の出願分)が一定数存在すると推察される。複数(2件以上)の特許出願が確認できたのは以下の4社である(表1)。これら4社の出願内容と併せて示す。

表1 複数特許を出願した4社
表1 複数特許を出願した4社
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 (1)仮想通貨関連のベンチャー企業の米21. Inc.。マイニングの高速化/低消費電力化に特徴がある。処理コア間で論理回路を共有することによって、チップ面積の増加と電力効率を改善するものや、難易度比較回路を設けることで速く効果的な検索を実行する技術を特許出願している。なお同社はEarn.comに社名変更後に仮想通貨取引会社の米Coinbaseに買収された。

 (2)Intel。マイニング用プロセッサーを出願しており、内容は演算方法が主体である。少量の先頭ビットに基づいて「無効ナンス」の大部分を排除することができる。従って大量の電力を消費することなく、迅速に完全なハッシュ値を計算できる。なお「ナンス」は暗号解読に使うコードを指す。マイニング用マシンは、解読可能なナンスを探すため、候補となる多数のナンスを発生させて演算させる。最終的に解読につながらないナンスが「無効ナンス」である。

中国企業が活発

 (3)Bitmain。マイニング用マシンや電源回路付きASICを出願している。2つの処理モジュールとそれぞれの入力方法を最適化することにより、計算の複雑さと電力消費を大幅に低減する。

 (4)仮想通貨マイニング用マシンを開発するベンチャー企業のイスラエルSpondoolies。演算プロセスに関する出願を行い、目的は演算の高速化と消費電力抑制している。ウォーターフォールプロセスを利用し、計算量を抑えることによって消費電力の低減を図っている。同社は、裁判所の命令によって解体されたもようだ。

 その他、調査時点で「1件のみ特許出願を確認」できた企業・個人は19名義だった。この中では「ZHEJIANG SAIJIA HOLDINGS」「SHENZHEN QIANHAI CLOUDMINDS」「SUANFENG TECHNOLOGY (BEIJING)」など、中国企業と推定される企業名が多く、出願件数全体の伸長と合わせて、中国での技術開発の活性化がうかがえる。