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Huaweiはシャープから特許譲渡

 次に発明者の居住国を示す。発明者の居住国は研究拠点と密接な関係があり、Huaweiの発明者居住国は20カ国以上に及ぶのに対し、ZTEではほぼ中国に集中している(表2)。

表2 発明者の居住国
表2 発明者の居住国
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 Huaweiは1990年代末、グローバル市場に事業を展開し始めた。その際、営業拠点より先にまず研究開発拠点を立ち上げ、各市場に合わせて通信ソリューションを開発することで、進出先となる各国の市場について学ぶという戦略を採用したとされる。

 特許出願状況から見ても、北米、ドイツ、スウェーデン、インドなどに研究拠点があり、技術開発と特許出願を行っている実態がうかがえる。この中で異色と言えるのが、日本人発明者である。日本人発明者に限定し、特許情報を分析すると、その出願の多くはシャープからの権利譲渡によるものだった。