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量子コンピュータにカネとヒトが猛烈に集まり始めている。量子コンピュータが実用的な性能を発揮する「Xデー」が迫っているとの期待が高まっているからだ。この熱狂に根拠はあるのか。ブームは本物なのか。そしてXデーはいつなのか。最新動向を検証する。

 量子コンピュータが実用化するXデーはいつ来るのか。数ある開発企業の中でも群を抜いて積極的な姿勢を示すのは米グーグル(Google)、米マイクロソフト(Microsoft)、米IBMの大手3社。各社の責任者を直撃し、その時期を問うた。

 3社の責任者の回答を紹介する前に、まずは民間企業による量子コンピュータ開発の現状をまとめておこう。量子コンピュータは世界中の大学や政府系研究機関も開発を進めているが、商用化を目指しているという観点から、今回は民間企業に限定した。

量子コンピュータを開発する主な民間企業
方式国名企業名デバイス特徴
量子ゲート米国グーグル超電導2018年内に「量子超越性」を目指す
量子アニーリング米国グーグル超電導全量子ビットの結合をもくろむ
量子ゲート米国マイクロソフトトポロジカル2018年内に1量子ビットの実現を目指す
量子ゲート米国IBM超電導20量子ビットのマシンをクラウドで提供
量子ゲート中国アリババ集団超電導11量子ビットのマシンをクラウドで提供
量子ゲート中国バイドゥ不明2018年3月に研究センターを設立
量子アニーリングカナダDウェーブシステムズ超電導2000量子ビットのデバイスを商用化済み
量子ゲート米国インテル超電導/シリコン超電導デバイスで49量子ビットを実現
量子ゲート米国イオンQイオントラップ米メリーランド大学とデューク大学の研究者が起業
量子アニーリング日本NEC半導体2023年までに2000~3000量子ビットを実現する計画
量子ゲート米国クオンタムサーキッツ超電導米イェール大学の研究者が起業
量子ゲート米国リゲッティコンピューティング超電導2019年内に128量子ビットを目指す

 最も野心的なスケジュールを提示し、かつ実績も積み上げているのはグーグルだ。同社は現在、量子ゲート方式と量子アニーリング方式の両方のハードウエアを開発中で、量子ゲート方式に関して学会などでロードマップを提示している。

グーグルの量子コンピュータロードマップ
グーグルの量子コンピュータロードマップ
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 2018年中に「量子超越性(Quantum Supremacy)」を実現し、数年内に実用的な性能を発揮できる「NISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum Computer、ノイズがありスケールしない量子コンピュータ)」のハードウエアを商用化。2020年代中に「0」と「1」の両方が同時に存在する「量子ビット」を100万個以上搭載し、量子ビットのエラー訂正ができるハードウエア、「万能量子コンピュータ(ユニバーサル量子コンピュータ)」を実現する――。

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