
日本企業を元気にする「知財戦略論」
---下町ロケット弁護士のモデル 鮫島が語る
目次
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特許には企業の戦略的な意思決定が含まれている
第29回 企業の真の戦略を抽出するIPランドスケープ
「IPランドスケープ」という言葉が聞かれるようになった。一体、どういう意味なのであろうか。多くの言葉の略語となっている「IP」だが、この場合はIntellectual Property、すなわち、知的財産を意味する。「ランドスケープ」とは、本来「景色・景観・風景」というような意味であり、「IP」と…
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「経営デザインシート」、知財とMOT両業界に新トレンド
第28回 経営をデザインするとは
「経営デザインシート」が今、ホットだ。これをテーマとしたイベントを内閣府が2019年2月28日に主催したところ、150人を超える聴衆が熱心に経営デザインシートにまつわる活用例に聞き入った。「経営デザインシート」は2018年度に開催された内閣府の委員会「知財のビジネス価値評価検討タスクフォース」の副…
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スタートアップが求める“ビジネス目線”の弁護士とは
第27回 ベンチャー企業への法律支援の本質
スタートアップ企業(以下、スタートアップ)の法律支援を弁護士が行うべき機運が訪れている。今年度、関東経済産業局では、オープンイノベーションの場面でスタートアップが直面する大企業との交渉において、ビジネスアドバイスができる弁護士を養成する初めての試みが施行された。
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「負ける裁判はしない」の舞台裏、下町ロケット弁護士の決め台詞
第26回 私のホントの決め台詞とは
2018年12月14日、作家の池井戸潤氏との出会いについて触れた随筆「下町ロケットと私」を日本経済新聞の交遊抄に取り上げてもらった。当時、日曜の夜に放映されていたTBS(東京放送ホールディングス)ドラマ「下町ロケット」が佳境に達する中で大きな反響をいただいたのであるが、いくつかの誤解をここで正して…
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日本の先進性を示す国際指標を作れないか
第25回 公益資本主義への移行
会社は誰のものか。よく言われるフレーズであるが、その定説は「株主」となっている。そして、「会社は株主のもの」という定説は、現在の日本国会社法とも整合する結論である。
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中小企業と大企業の最強タッグ、「下町ロケット」の世界は現実にしなければならない
第24回 オープンイノベーションに賭ける日本の復活
「オープンイノベーション」という言葉がすっかり普及しました。当初、大企業の開発スタンスに対する路線変更を呼び掛ける意味を持っていたに過ぎないこの言葉が、日本の競争力を占う意義を持ち始めたのはここ数年のことです。
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特許訴訟の損害賠償額を上げるべきか?
第23回 日本の特許訴訟を考える
日本の特許訴訟において認容される損害賠償額(認容額)を法改正によって上げていこうという動きがあります。この議論は10年ほど前から「生じては消え」を繰り返しています。この種の議論を聞くにつけ、そのような立法を必要とする背景事実(専門用語では「立法事実」という)が存在するのか、と疑問に思います。
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ベンチャーファーストで競争力向上を狙う大企業
第22回 日本復興への第一歩
いよいよ今年も政府委員会のシーズンになりました。そのようなものにシーズンがあるということは、多くの読者にとって想像の範囲外でしょう。4月から始まる1年を1期とする年度ごとに予算を配分している日本国政府では、4〜6月は委員会コンセプトの策定時期に、7〜8月は業者選定時期(いわゆる競争入札)にしている…