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 インフラの地震被害を軽減する耐震補強。既設のコンクリート構造物を増し厚補強するために欠かせないのが、あと施工アンカーを打つための「孔(あな)開け」だ。規模にもよるが、数百~数千カ所に及ぶ孔を手持ち式のドリルで開ける。

 コンクリートの削孔は単調であるだけでなく、騒音や振動、粉じんの発生を伴い、作業員に負担を強いる大変な作業だ。

 そんな“苦渋”作業をなくすために、奥村組は削孔を自動化するマシンを開発した。鋼製のフレームに搭載した市販の手持ち式ドリルが上下左右と前後に稼働。CAD図面などで事前に指定した位置に、連続して孔を開けていく。直径40mm程度の空圧削岩機に対応する大径用と、直径25mmほどの電動ハンマードリルを搭載する小径用の2台を製作した。

大径用の自動削孔マシン。空圧削岩機や集じん機、制御盤などを搭載。クレーンで吊り上げるなどして現場に搬入する(写真:奥村組)
大径用の自動削孔マシン。空圧削岩機や集じん機、制御盤などを搭載。クレーンで吊り上げるなどして現場に搬入する(写真:奥村組)
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大径用のマシンで削孔する様子。ドリルの刃に取り付けた集じんカップで、削りかすを集める(写真:奥村組)
大径用のマシンで削孔する様子。ドリルの刃に取り付けた集じんカップで、削りかすを集める(写真:奥村組)
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 大径用のマシンは、高さ2.4m、幅1.6m、奥行き2.2mで、重さは980kg。最大で深さ1.2mまで削孔できる。あらかじめコンクリート面と並行に固定したアングル材の上を自走する。

 ドリルの先端の位置を調整してコンクリート面に触れるよう調整した後は、スイッチ1つで削孔を始める。深さ1mの削孔に要する時間は約4分。手持ち式ドリルを作業員が操作するのと変わらない速度だ。

 削孔時のトラブルにも自動で対処する。コンクリートの配筋は多少の施工誤差が生じるので、鉄筋の位置を事前に非破壊探査で特定する。ただし、表面から深い位置の精度は下がるため、鉄筋に気づかずドリルで傷つけてしまうことは珍しくなかった。その点、開発したマシンは、ドリルの削孔速度を常時計測。鉄筋に当たると速度が急激に落ちるため自動で停止して、鉄筋の損傷を防ぐ。