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給料・処遇に「不満」が過半数

「あなたは現在の給料・処遇に満足していますか」に対する回答
「満足」は22%に過ぎない
「あなたは現在の給料・処遇に満足していますか」に対する回答
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 先に示した通り、IT関係者の給与水準は、他の業界と比較して相対的に高い。恵まれた仕事のように思えるが、実際どうなのか気になるところだ。そこでユーザー企業とITベンダーに、「あなたは現在の給料・処遇に満足しているか」と聞いた。

 結果は「不満」が51%と過半に達した。「満足している」と答えたのは、22%である。ユーザー企業とITベンダーとの間で、給与・処遇に対する満足度に大きな違いはなかった。システムの仕事に従事する2人に1人は給与・処遇に不満を持っているわけだ。

 中小ユーザー企業のシステム担当者は、「慢性的に長時間残業をしているにもかかわらず、他部門と同等の給与。これではモチベーションがあがらない」と訴える。「重要性が高い部門であるにもかかわらず、予算面、待遇面で軽視されている」(大手ユーザー企業のシステム担当者)という意見もあった。

 仕事の役割や業務負担の大きさの割には、給料・処遇が見合っていないと感じているようだ。現在の給料・処遇が悪いというよりも、「もっと厚遇を受けるだけの業務をこなしている」というのが、多くのIT関係者の本音なのかもしれない。

 調査で分かった深刻な事実がある。それは、若手従業員の満足度の低さだ。

 29歳以下に絞って見ると、「不満」と答えた割合は58%に達した。一方、「満足している」は12%にとどまる。自分たちよりも年齢の高い世代に比べて給与が低く抑えられている割に、業務負担が重いことに嫌気がさしている若手は少なくないようだ。

 こうした事情からか、若手・中堅社員の流出が深刻化していることを嘆く声もある。「(システム部門は)企業戦略上、重要な役割を担っているのに待遇があまり良くない。そのため、せっかく育てた人材が退職してしまい、システム部門の平均年齢が高くなっている。希望の持てる待遇を考えなくてはならない」(中堅ユーザー企業のシステム部門課長)。

 若手の不満は、IT業界にとって大きな問題だ。このままでは優れた人材どころか、“平均レベル”の若手さえ定着せず、他の産業よりも深刻な人材不足が進む危険がある。

 これに危機感を抱き、既に改善策に取り組む動きもあるようだ。「積極的に新しい技術・手法を取り入れるなどして、若手社員が失敗を恐れずに仕事に取り組めるような環境の整備に努めている」(大手ITベンダーの部長)。

 このような取り組みを見習って、若手の士気が高まるような仕事のやり方に変える。さらに、給与・処遇制度や教育制度を見直すことも求められそうだ。放置しておけば、高齢化が一気に進み、組織運営上、支障をきたす恐れがある。