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 震災が起こるたびに建築被害を巡る紛争が裁判所に持ち込まれる。裁判所は建築の安全性をどう裁くのか。第1回は、2016年の熊本地震で発生したブロック塀倒壊事故を巡る訴訟を取り上げる。この事故では、倒れたブロック塀の下敷きになって2人が死傷した。遺族らは塀の違法性を主張。所有者らを相手取り、6700万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こした。現在も係争中だ。

 倒壊したブロックの塊が、暗闇の中で降りかかってきたという。震度7の熊本地震の前震が発生した2016年4月14日午後9時26分ごろ、熊本県益城町惣領地区で、ブロック塀倒壊事故が発生した。社会医療法人の理事長が自宅敷地の境界線付近に設置したブロック塀が地震の揺れを受けて隣地に倒れ、男性(当時29歳、A氏)と女性(当時57歳、B氏)が下敷きとなった。

2016年4月に発生した熊本地震の前震で倒壊したブロック塀。下敷きになった男性(当時29歳、A氏)が亡くなり、女性(当時57歳、B氏)が脚を骨折して今日も後遺症が残っている(写真:被害者の関係者が提供)
2016年4月に発生した熊本地震の前震で倒壊したブロック塀。下敷きになった男性(当時29歳、A氏)が亡くなり、女性(当時57歳、B氏)が脚を骨折して今日も後遺症が残っている(写真:被害者の関係者が提供)
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 この事故でA氏が亡くなった。背面からのしかかったブロックに圧迫され即死。死因は外傷性ショック死と診断された。B氏は左脚を何カ所も骨折し、今日も障害が残る。事故発生時は、倒れたブロック塀に脚を潰されたまま身動きが取れず、3時間も救助を待っていたという。

 B氏の親族は、「ブロック塀の所有者からは、何の連絡も、謝罪もなかった」と憤る。遺族らはブロック塀の所有者らを相手取り、18年3月15日に総額6789万円の損害賠償を求める民事訴訟を、熊本地方裁判所に起こした。6月20日には第1回口頭弁論があり、被告の所有者らは「地震による倒壊であるため免責される」と請求の棄却を求めた。