2000年以降、急成長を見せるダイキン工業。過去17年で売上高を4倍以上に伸ばし、利益率も順調に高めてきた。事業の柱は「ローテク」と同社ですら呼ぶ空調機(エアコン)だ。日本のローテク産業の多くが新興国の企業の勢いに飲まれる中、ダイキン工業は海外を中心に売り上げを急速に伸ばしている。なぜそれができるのか。生産、開発、販売、人づくりにおいて同社の取り組みに迫る。

快進撃ダイキンが世界で勝てる理由
目次
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「粉もん」を直接売るから儲かる、ダイキンの世界販売戦略 グローバル戦略本部長を直撃
ダイキン工業 常務執行役員 グローバル戦略本部長 峯野 義博氏
ダイキン工業の成長を支える海外市場。競合企業がひしめく中で、うまく成長に結び続けられる秘密は何か。同社グローバル戦略本部長で販売を担当する峯野義博氏に聞いた。
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だからインドで売れる、ダイキンの現地密着型設計のノウハウ
現地の設計者と協力し、過酷な使用環境でも品質を守る
「現地密着型開発」が功を奏し、新興国でダイキン工業の製品が売れている。市場に近い所で顧客ニーズを吸収し、現地の開発陣が主体となって製品を開発設計する方法だ。米中貿易戦争の勃発後、中国に次ぐ巨大市場としての成長が期待されるインド市場でも、同社はこの戦略を貫く。成功を収める「インド設計」の詳細を同社は…
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誰でも高品質に造れる生産ライン、ダイキンのインド最新工場
非熟練者のミスを防ぐ「モジュールライン」の詳細に迫る
めざましい成長を見せるインドの空調市場。その旺盛な需要を満たすには、ニーズに合わせた量の製品をしっかりと生産しなければならない。もちろん、品質の確保は絶対条件だ。だが、インドのような新興国には工場勤務経験の浅い作業者が多く、日本の工場とは違って熟練者による高度な労働力は期待できない。
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超成長市場のインド、素早い増産の鍵はモジュールラインにあり
6期連続で売上高が過去最高更新、ダイキンが海外で強いワケ
2019年3月期(2018年度)の決算で、6期連続となる過去最高の売上高と営業利益の更新を実現したダイキン工業。成長源は海外、中でも新興国市場の伸びが同社の好業績を支えている。そうした新興国の中でも、特にめざましい成長を見せているのがインド市場だ。
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なぜ世界で売れる製品を開発できるのか? ダイキン副社長を直撃
副社長インタビュー ダイキン工業 取締役副社長執行役員 グローバル戦略本部・生産技術担当 冨田 次郎氏
この17年で売り上げを4倍超に伸ばし、その8割を海外で稼ぐダイキン工業。なぜ、世界で売れる製品を開発できるのか。同社の開発を率いるダイキン工業取締役副社長執行役員でグローバル戦略本部・生産技術担当の冨田次郎氏を直撃した。
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赤字から高利益率へ、「ベースモデル開発」というダイキンの秘策
世界で売れる開発の秘密(2)
世界各地の顧客ニーズを吸収した製品を開発する──。顧客視点で当然のことをきちんとやり遂げているのが、ダイキン工業の開発の特徴だ。だが、これを実行するのは意外に難しい。世界中の幅広い顧客ニーズに応えるには、膨大な種類の製品を開発しなければならない。その全てをいちから開発していては開発リソースが足りな…
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「世界初」でなければ即却下、ダイキンは開発で4重の壁を突破する
世界で売れる開発の秘密(1)
この17年で売り上げを4倍超に伸ばし、その8割を海外で稼ぐダイキン工業。なぜ、世界で売れる製品を開発できるのか。その秘密を探ると3つの仕掛けが見えてくる。今回はその中の2つ。[1]差異化商品の追求と[2]コア技術の磨き上げの取り組みに迫る。
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スマート工場の条件、IoTの導入だけでマスカスタマイズ工場ができるか?
ダイキンが手にしたトヨタ生産方式の威力
第4次産業革命時代のスマート製造業の条件と言われる「マスカスタマイゼーション」。個々の顧客が望む製品を大量生産並みのコストで造って提供する、革新的なものづくりだ。これにはIoT(Internet of Things)の導入が必須と考えられている。
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AI人材には人間性が必要、ダイキン井上会長
ダイキン工業 取締役会長 兼 グローバルグループ代表執行役員 井上 礼之 氏 (下)
ダイキン工業は社内に「大学」を作り、AIやIoTを使いこなせる人材を育成し始めた。井上礼之会長はあらゆる現場に、AIやIoTが分かり、ビジネスや外部との架け橋になる「ブリッジパーソン」を置きたいと語る。
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「AI人材を生かすも殺すも管理職次第」、ダイキン井上会長の危機感
ダイキン工業 取締役会長 兼 グローバルグループ代表執行役員 井上 礼之 氏(上)
ダイキン工業が自慢のひとづくりに危機感を持ち始めた。AIとIoTを理解し、使いこなせる人材が不足しているのだ。井上礼之会長は新人100人を社内大学「ダイキン情報技術大学」に通わせる決断を下した。
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「仕事はせんでよろしい」、ダイキン流AI人材育成の現場
ダイキン工業が社内に開講した「ダイキン情報技術大学」に潜入した。生徒は、351人いる2018年春の新入社員のうち、手を挙げた100人。2年間、現場には配属されず大学通いに専念。AIやIoTに精通した情報系人材に育てる。
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「寝ても覚めてもIoTを考える部署が必要」、ダイキン社長が抱く危機感
Part2 社長インタビュー(3) ダイキン工業 代表取締役社長 兼 CEO 十河 政則氏
好調な業績を続けるダイキン工業。一見、課題はないかのように映る。だが、同社代表取締役社長兼CEOの十河政則氏は危機感を隠さない。その理由は、IoT(Internet of Things)と人工知能(AI)時代の本格的な到来にある。
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競合対抗プロジェクトでライバルを丸裸に、ダイキン社長が語る世界で売れる秘密
Part2 社長インタビュー(2) ダイキン工業 代表取締役社長 兼 CEO 十河 政則氏
この17年で売り上げを4倍超に伸ばしたダイキン工業。足元の業績も好調だ。“老舗”の大企業がここまでの成長を見せるのは珍しい。この成長を支えるのは、強い販売力だ。
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「工場も開発もガラリと変えた」、ダイキン社長が明かす世界で勝てる理由
Part2 社長インタビュー(1) ダイキン工業 代表取締役社長 兼 CEO 十河 政則氏
この17年で売り上げを4倍超に伸ばしたダイキン工業。売り上げの8割を海外で稼ぐグローバル企業なのに、なぜ日本に新工場を建てたのか。それにより造り方をどう変えるのか。ダイキン工業が進めるものづくりの革新に焦点を絞り、同社の経営の舵を取る代表取締役社長兼CEOの十河政則氏を直撃した。
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「設備モジュール」で需要変動を吸収、ダイキンの新生産ライン
Part1 国内新工場の解剖(5)
ダイキン工業が日本で25年ぶりとなるエアコン工場を稼働させた。マスカスタマイズ生産の実現に加えて、新工場のもう1つの特徴となるのが、需要変動に強いことだ。おまけに、生産開始までの立ち上げが早く、小規模生産でも利益を生み出せる理想的な工場となっている。
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自律制御を目指すダイキン、工場IoTの現在地
Part1 国内新工場の解剖(4)
ダイキン工業は新工場で生産データや映像をかき集めている。その基盤となるのが工場IoTだ。改善のブレークスルーとなるポイントを製造ビッグデータから発掘する。
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新工場の目玉はIoTコックピット、 ダイキンが世界展開視野に
Part1 国内新工場の解剖(3)
ダイキン工業が新設した「堺製作所 臨海工場」の目玉の1つはIoTだ。生産ラインの脇に工場関係者がすぐに集まれる「工場IoTプロジェクトセンター」を設置。工場内のデータをリアルタイムで見える化した。
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最新の生産技術で「マスカスタマイズ生産」に挑むダイキン
Part1 国内新工場の解剖(2)
好業績を続けるダイキン工業が、国内で25年ぶりにエアコンの新工場を建設して2018年6月から稼働を開始した。業務用エアコンのマスカスタマイズ生産を行う工場だ。それを支えるのが、最新の生産技術とIoT(Internet of Things)。
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なぜ今、縮小市場の日本にダイキンは新工場を造ったのか
Part1 国内新工場の解剖(1)
好業績を続けるダイキン工業が、国内で25年ぶりにエアコンの新工場を建設し、2018年6月から業務用エアコン「VRV-X」と「同A」シリーズの量産を開始した。だが、同社の成長源は明らかに海外市場。