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視点の持ち方とプロセス・組織の在り方がカギ

 次に、ソリューションの実現に向けて関連する事業部門でクロスファンクショナルチームを形成し、企画・開発アイテムごとに責任者を設定し商品化に向けた取り組みを着実に進めている点が挙げられる。システム化における押さえどころと同様であり、KPIや組織体制の整備により、新たな取り組みを加速している。

 最後に、商品化のFS(フィジビリティスタディー)を進めたソリューションに対して、エンドユーザーへの訴求価値を社会トレンド分析やヒアリング調査をもとにエビデンスとして示し、OEMに的確に訴求し商品導入に向けて巻き込むアクションを徹底している点がある。CESなどの展示会への出展に加えて、独自の展示会やOEMを技術ショールームに招いてソリューション紹介ツアーを行うなど、売り込むための工夫を行うことも重要となる。

 以上、システム化・ソリューション提案を成功に導く押さえどころを述べてきた。その成否は自社の商材・技術やその開発力の良しあし以上に、システム・ソリューション案を検討する際の視点の持ち方と、それを適切に実現するためのプロセス・組織体制の在り方が大きい。

 見識の高い優れた技術者を豊富に抱える日系サプライヤーは、ミドルアップに多様な開発を進める地力を持っている。その力の方向性をそろえる枠組みを整えることで、グローバルの有力サプライヤーともシステム化・ソリューション提案でも十分に肩を並べて戦っていけるだろう。

 ただし、すべての企業がシステム化・ソリューション提案に積極的に取り組むべきというわけではない。既存商材に特化してコンピタンスを強化することが有効になるプレーヤーもいるだろう。既存商材が「じり貧」の状態でシステム化・ソリューション提案に打って出ると、事業ポジションが不適切になるケースもある。

 そのようなケースでは、どのような成長シナリオが描けるだろうか。次回は、サプライヤーにとって新たな収益源の確保に向けた新規事業の位置付け方と、その効果的な検討アプローチの手法を紹介する。