この連載(パリ近現代建築総まくり!必見30選)では、日仏友好160周年を機に、パリ市内の名建築30件をリポートしている。今回は、建築巡りをひと休みして、11月1日にパリ市庁舎前で始まった「FUROSHIKI PARIS(ふろしきパリ)」の展示風景をパリ在住の美術史家、飯田真実氏にリポートしてもらう。パビリオンなどを設計したのは、パリを拠点にする建築家、田根剛氏。都内で開催中の2館同時展(TOTOギャラリー・間、東京オペラシティアートギャラリー)も話題を呼んでいる注目の建築家だ。(ここまで宮沢 洋=日経 xTECH/日経アーキテクチュア)
日本とフランスが友好160周年を迎えた今年、秋が深まるパリで日本関連の文化事業が多数行われている。そのなかで、東京都主催の「FUROSHIKI PARIS(ふろしきパリ)」がパリ市庁舎前広場で11月1日にオープンした(会期は11月6日まで)。「パリ東京文化タンデム2018」という両国首都間の交流事業だ。パリ在住で同事業の制作に関わった筆者(美術史家の飯田真実)が速報をお届けする。
「FUROSHIKI PARIS」は、パリを拠点とするAtelier Tsuyoshi Tane Architects(アトリエ ツヨシ タネ アーキテクツ)代表の田根剛氏がアーティスティックディレクターとして企画した。広場は、セーヌ川やノートルダム大聖堂、美術館やショッピングエリアにも近く、パリの生活の中心に位置する。
田根氏はここに「東京からパリへの贈り物」として、白地に朱色の唐草文様が描かれた巨大な風呂敷包みをイメージした高さ約6.5m、横幅50m、奥行き10mの特殊テント構造によるパビリオンを設置した。その中で、風呂敷を世界で最初のエコバッグとして、その8世紀に遡る歴史を紹介。「自然のサイクル」をテーマに日仏のアーティストがデザインしたオリジナル風呂敷を展示した。鑑賞者は実際に風呂敷でワインボトルやバゲットを包む体験もできる。