それはまるでSF映画のようだった――。

 通常、新社屋の竣工式と言えば、社長などが自治体の首長などと並んでテープカットをして祝辞があって・・・というのがお決まりだ。しかし、この日はまるで違った。“社長不在”のテープカットの後に行われたのは、巨大な人型ロボットによる“丸太カット”の実演だった。

 この参加者を驚かす演出は、ロボット開発を手掛けるベンチャー企業、人機一体の新社屋「秘密基地人機一体」の竣工式で披露された。ところで、竣工式にいるはずの社長はいずこに・・・。その謎は、テープカットならぬ、丸太カットが終わると解けた。同社の金岡博士社長は、ロボットから離れた場所にあるマスター装置(操縦装置)に座って、まるで自分の手足のようにロボットを操っていたのだ。

丸太カットを終えてポーズを決める「MMSEBattroid」
丸太カットを終えてポーズを決める「MMSEBattroid」
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 金岡氏が操っていたのは、人型ロボット「MMSEBattroid(Man-Machine Synergy Effector:MMSE、人間機械相乗効果器)」。操縦者が離れた場所から操作できる、遠隔操作(マスター・スレーブ)型のロボットである。別途開発している2足歩行可能な下半身部分の「パワーペダル」と組み合わせれば、高さ約4mの巨大ロボットに変身する。

 操縦者がマスター装置に乗り込み、VR(Virtual Reality)用ヘッドマウントディスプレー(HMD)をかぶれば、ロボット視点の映像が目の前に広がる。ロボットの頭部にある2つのカメラで両眼立体視を実現し、より正確な位置や距離感を把握しながら操縦できる。しかも、力覚フィードバックに対応していて、ロボットの腕にかかる力や腕の動きがマスター装置へ反映され、細かい動きの制御を可能にしている。