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日経BP 総合研究所は、林野庁の令和3年度(2021年度)補助事業における中高層・中大規模木造建築物の設計・施工者育成推進のための提案として、木造建築に取り組む実務者に向けて情報を発信している。2021年9⽉に実施した「建築物への木材の利用に関する調査」の結果を報告する。

 「建築物への木材の利用に関する調査」の目的は、木造建築に関わるステークホルダーから見た木造・木質建築のイメージと課題を明らかにすること。調査対象としたのは、受注者となる建築物の設計や施工の担当者、発注者となる不動産業の従事者、建築物を利用する立場のビジネスパーソンの3者。調査⼿法はインターネット調査(メールで調査告知し調査画⾯に誘導)、調査実施は日経BPコンサルティング。

 不動産業の従事者に、テナントなどの顧客の木造・木質建築物に対する興味・関心度の高まりについて尋ねた。「とても感じる」「やや感じる」と回答した割合は、木造(非住宅)については26%、「あまり感じない」「まったく感じない」の回答は28%とほぼ同じ割合を示した。

【不動産】「木造」や「木質」の建築物について顧客の興味・関心の高まりを感じますか(単一回答)(資料:日経BP 総合研究所)
【不動産】「木造」や「木質」の建築物について顧客の興味・関心の高まりを感じますか(単一回答)(資料:日経BP 総合研究所)
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 実際に建築物を利用するビジネスパーソンに「あなたは『木材を使った建物』について興味・関心がありますか」を尋ねると、興味・関心があると回答した割合は8割を超える結果となった。なお、勤務先がSDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでいる場合の興味・関心度は86.8%だったのに対し、取り組んでいない場合は71.7%となり、両者には約15ポイントの差が生じた。

【ビジネスパーソン】あなたは「木材を使った建物」について興味・関心がありますか(単一回答)(資料:日経BP 総合研究所)
【ビジネスパーソン】あなたは「木材を使った建物」について興味・関心がありますか(単一回答)(資料:日経BP 総合研究所)
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 発注側である不動産業従事者と、受注側である設計・施工担当者それぞれに、木造・木質建築物の提案経験を尋ねると、木造(非住宅)については、設計・施工側から「提案した」ことがある割合は55%、不動産側から見て「提案された」「依頼した」経験のある割合は42%となった。

【設計・施工】あなたはこれまで、建築主に対して、「木造」や「木質」の建築物を提案したことがありますか(単一回答)。【不動産】これまで、あなたのお勤め先では「木造」や「木質」について、設計者や施工者から提案されたことはありますか。もしくは設計者や施工者に依頼したことはありますか(単一回答)(資料:日経BP 総合研究所)
【設計・施工】あなたはこれまで、建築主に対して、「木造」や「木質」の建築物を提案したことがありますか(単一回答)。【不動産】これまで、あなたのお勤め先では「木造」や「木質」について、設計者や施工者から提案されたことはありますか。もしくは設計者や施工者に依頼したことはありますか(単一回答)(資料:日経BP 総合研究所)
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 では、実際に木造・木質建築物を採用した際の採用の決め手は何だったのか。この質問では、設計・施工は「快適性が得られる」「デザインが美しい」「コストが予算内である」の回答が多く、不動産では「コストが予算内である」とともに「社会貢献活動、SDGsの一環になる」にも多くの回答を集め、傾向には若干の差があった。

【設計・施工】「木造」や「木質」の建築物を提案して、実際に採用になった際の「一番の決め手」は何でしたか、もしくは何だと捉えられていますか。最も多かったと考える項目を一つだけ挙げてください(単一回答)。【不動産】「木造」や「木質」の建築物に関する提案を受けて、実際に採用した際の「一番の決め手」は何でしたか。最も多かったと考える項目を一つだけ挙げてください(単一回答)(資料:日経BP 総合研究所)
【設計・施工】「木造」や「木質」の建築物を提案して、実際に採用になった際の「一番の決め手」は何でしたか、もしくは何だと捉えられていますか。最も多かったと考える項目を一つだけ挙げてください(単一回答)。【不動産】「木造」や「木質」の建築物に関する提案を受けて、実際に採用した際の「一番の決め手」は何でしたか。最も多かったと考える項目を一つだけ挙げてください(単一回答)(資料:日経BP 総合研究所)
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 木造・木質建築物のイメージや好感度について、不動産、設計・施工、ビジネスパーソンそれぞれに質問すると、いずれの立場においても「森林資源を有効活用できる」の割合が最も高く、「デザインが美しい」「快適性が得られる」「健康に配慮できる」などの項目も総じて高いなど、回答傾向はほぼ同じ結果となった。また、「社会貢献活動、SDGsの一環になる」は、設計・施工と不動産に比べてビジネスパーソンのイメージは低く、「減価償却資産の耐用年数が短くなる」は不動産で高い。

【設計・施工】【不動産】木材を活用した非住宅や集合住宅(4階建て以上)について、当てはまると思うイメージを下記からお選びください(複数回答)。【ビジネスパーソン】「木材を使った建物」について、当てはまると思うイメージを下記からお選びください(複数回答)(資料:日経BP 総合研究所)
【設計・施工】【不動産】木材を活用した非住宅や集合住宅(4階建て以上)について、当てはまると思うイメージを下記からお選びください(複数回答)。【ビジネスパーソン】「木材を使った建物」について、当てはまると思うイメージを下記からお選びください(複数回答)(資料:日経BP 総合研究所)
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 木造・木質に取り組む企業への好感度について尋ねると、いずれの立場においても、「非常に好感を持つ」「まあ好感を持つ」が90%以上と非常に高い結果となった。

【設計・施工】【不動産】あなたは「木造」や「木質」に取り組む企業に対して、どの程度、好感を持ちますか(単一回答)。【ビジネスパーソン】あなたは、「木材を使った建物」に取り組む企業に対し好感を持ちますか(単一回答)(資料:日経BP 総合研究所)
【設計・施工】【不動産】あなたは「木造」や「木質」に取り組む企業に対して、どの程度、好感を持ちますか(単一回答)。【ビジネスパーソン】あなたは、「木材を使った建物」に取り組む企業に対し好感を持ちますか(単一回答)(資料:日経BP 総合研究所)
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