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設計者は木構造への理解が欠かせない

 中大規模木造という新市場への参入は、設計者にも求められる。ただそれには、木構造への理解が欠かせない。構造設計と意匠設計を同時に考える必要があるからだ。

 「構造設計を理解していないと、意匠設計は描けない。グリッドの大きな鉄骨造ならそうでもないが、グリッドの小さな木造では柱や耐力壁のことを考えながら設計を進めていく必要がある」。藤田氏は設計者に必要な資質をそう説明する。

 ただそこは、設計者も工務店も戦略的に身に付けていけばいいだけのこと。藤田氏は歴史を振り返りながら、こう勇気づける。

 「かつて中大規模木造は防耐火も構造も性能が脆弱で、1960年代以降は鉄骨造などに取って代わられた。しかし今では、技術の進展で木造の幅が広がってきた。技術的には長い空白期間はあったが、互いに学び、それを埋めていけばいい」

 2019年5月、マルオカ埼玉営業所は3階建て木造事務所のプロトタイプとして完成した。南部氏は「見た目も実際も温かく好評」と笑顔を見せる。「これだけ木材を現しで見せているせいか、従業員が生き生きとしてきた」。

 3階建て事務所の建て替え需要は少なくない。経営上、従業員の健康という視点が以前にも増して重視されており、就労環境の木質化も進みそうだ。この建物が木造への建て替え需要の掘り起こしに貢献していくことを、南部氏は強く願っている。

1階平面図(資料:藤田木造構法計画)
1階平面図(資料:藤田木造構法計画)
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2階平面図(資料:藤田木造構法計画)
2階平面図(資料:藤田木造構法計画)
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3階平面図(資料:藤田木造構法計画)
3階平面図(資料:藤田木造構法計画)
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矩計図(資料:藤田木造構法計画)
矩計図(資料:藤田木造構法計画)
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建築概要

  • 所在地:さいたま市北区日進町
  • 用途地域:準住居地域、防火地域指定なし、法22条指定区域
  • 敷地面積:351.82m2
  • 延べ面積:454.62m2
  • 最高高さ:11.055ⅿ(軒高8.98m)
  • 構造・階数:木造3階建て
  • 用途:事務所
  • 完成:2019年5月
  • 建築主:マルオカ
  • 意匠設計:藤田木造構法計画+g.n.u設計室
  • 構造設計:藤田木造構法計画
  • 施工:大野建設
  • プレカット:マルオカ
  • 建築工事費:非公表