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 日経BP 総合研究所 社会インフララボ、日経アーキテクチュア、日経ホームビルダー、日経不動産マーケット情報が2019年11月7日に開催した「木材活用フォーラム2019 in 大阪」の概要を紹介する。都市木造の要素技術は揃い、法改正、材の規格化、仕様の標準化の取り組みも進んでいる。都市木造に参入しやすい環境が整備された今、その普及には何が求められるのか。

腰原 幹雄 氏
腰原 幹雄 氏
東京大学 生産技術研究所 教授(写真:生田 将人)

 日本の山には、戦後の植林の結果、建築材料として利用期を迎えた木が増えている。しかし、需要が少ないため循環利用が行われず、森林整備が滞り、荒廃が進んでいる。一方、建設需要の高い都市部では、こうした問題が身近に認識されていないのが現状だ。

 「都市木造」という言葉から、なぜ都市で「木造なのか」という、違和感に近い感覚を抱く人は多いが、それがきっかけとなり、都市で森林を考える入り口になることが、「都市木造」の第一段階だと考えている。