日経BP 総合研究所 社会インフララボ、日経アーキテクチュア、日経ホームビルダー、日経不動産マーケット情報が2019年11月7日に開催した「木材活用フォーラム2019 in 大阪」の概要を紹介する。三菱地所は、CLT高層建築の事業化に向けた研究に取り組み、仙台、東京などでCLT建築を手がけてきた。その先駆例から得られた設計・施工上の課題や実証結果を公開する。

三菱地所では、専門部署「CLTユニット」を中心にCLTの事業化に向けた研究開発に取り組んでいる。19年には当社が手がけた、CLTを使う木造建築プロジェクト2例が完成を迎え、東京都心では、8階建の木造事務所ビルが着工している。ビジネス視点から、これらの事例を振り返ってみたい。
最初に、私どもはCLTや木部材の特性から、以下の採用メリットを考えた。乾式部材で軽量なので、工事費軽減と工期短縮を期待できる。また、国内の森林環境の改善や、SDGs(「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の国際開発目標)に寄与し、投資家が投資先企業に求める、環境企業としての価値向上にも貢献できる。
ここでは前者の、工事費軽減と工期短縮の効果を検証してみよう。